ほしいぬ

書いたり、詠んだり。

東京

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先日東京へ行く機会がありました。

正確には、上野周辺をうろうろしておりました。不忍池からスカイツリーが見えたので写真を撮りました。

 

わたしは以前、のべ15年ほど東京で暮らしておりました。のべ、というのは行ったり来たりしていた時期も含むからです。その頃はスカイツリーはありませんでした。

ですから、スカイツリーの見える東京の風景というのはわたしには物珍しいのです。東京といえば、東京タワー。芝大門あたりの雰囲気は独特で、たまに散歩するのが好きでした。

 

東京で暮らしていた頃、または東京に用事があって行ったとき、わたしは緊張していました。人が多くてスピードが速いからです。高速道路を運転するような気持ちで、人の流れにのります。地下鉄を乗り換え、信号に従って早足で歩きます。生来のぼーっとした感じは隠します。悪い人に付け込まれたくないから。怖い目にあいたくないから。東京にいる間、険しい顔とスピードでわたしは移動します。

 

そんなに緊張していたのに、落し物をしてしまいました。結構大切なものでした。駅や立ち寄った場所に問い合わせましたが、届出はありませんでした。残念でしたが、自分が悪いのだから仕方ない。それに加えて、あんなに人の多い東京なんだもの、仕方ない。ぼーっとしている自分が悪いのだ。自業自得だ。と思っていました。

 

しかし後日、警察から落し物の届け出があったと連絡がありました。わたしはハッとして、ほっとしました。そして自分が恥ずかしくなりました。

誰かいい方が拾ってわざわざ届けて下さったのです。しみじみとありがたいです。

 

東京という街は大きい。でもそこにいる人はひとりひとりべつの人。いい人もいればわるい人もいる。いいともわるいともいえない普通の人もたくさんいる。

 

わたしは、東京のことは好きなような苦手なような、なんともいえない気持ちなのですが、今度のことで少し距離が縮まったような気持ちに、勝手になっています。単純なものです。

 

機会があればまた行きたいな、東京。