ああ五月。
卯野様、皆様、いつもありがとうございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
短歌の目 5月
http://tankanome.hateblo.jp/entry/2017/05/10/000000
2. くつ(靴、屈、窟など他の読みかたも可)
3. カーネーション
4. 衣
5. 夕なぎ
ああ五月。
卯野様、皆様、いつもありがとうございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
短歌の目 5月
http://tankanome.hateblo.jp/entry/2017/05/10/000000
*写真は無料素材をお借りしました
まりおさんの記事を読んで、触発されたので書きます。
http://bakazee.hatenablog.com/entry/2017/05/27/161502
フーファイターズというアメリカのロックバンドの曲に、「ベストオブユー」
というのがあります。
こんな曲です。
メロディも歌詞もよくて、特に歌詞を載せたいのですが以前それをして運営から注意を受けましたのでやりません。
元の歌詞および和訳してくれているサイトがあるので、興味がある方は調べてみてください。
歌詞とか詩とか言葉全般は、発せられた瞬間いろんな解釈をされます。
その解釈が完全に正しいということはなくて、発した側の本意から外れた解釈をされることもままある。
言葉というのは、その言葉から受け手が何を受け取ったか、どう動かされたか、ということでしか、受け止められないのかな、とも思います。永遠のすれ違いもあるかもしれません。
で、わたしがこの曲から受け取ったこと。
それは、
「自分の一番いいもの(ところ)を人にゆだねるな。もし誰かがそれを壊しにくるなら守り抜け。
自分の一番いいものをもし自分自身が壊したり潰したり殺したりしそうになったなら、自分自身からその大切なものを守れ。」
ということです。
わたしはいま幸いにも生きていますが、それなりにいろんなことがありました。
外から潰されそうになったこともあれば、自分が自分を認められずに、潰れそうになったこともある。
そこから、生き残ってきて、ここにいます。大げさだけど。
みんなそうなのではないかと思います。程度の差こそあれ。
自分の一番いいものなんてない、自分にはいいところなんて何にもない。この先生きていてもいいことがあるとは思えない。と思うときは、自分が自分を潰しにきている。だから、潰しにくる自分から自分を守らなくちゃいけない。そのときに、人の助けを借りることは恥ずかしいことでも申し訳ないことでもありません。
あなたがここにいることで、わたしがここにいることで、かけがえのないものがいま生まれている。常に生まれ続けている。寿命が尽きるその日まで、それは続く。
自分では気づくことができなくても、ベストオブユーは絶対にある。そう思います。
短歌の目 四月
1. 皿
欠けた皿継いで使へる英国は人も大事にすると信ずる
2. 幽霊
幽霊になると思へばそんなにも淋しくはなし焼場の煙
3. 入
スイッチを入れた指先弄ぶいつかは切れる恋と知りつつ
4. うそ(嘘、鷽、獺も可)
鷽の胸赫らむごとに取り替へて我は嘯く「いまがしあはせ」
5. 時計
時計みて君想う癖直らないたとえ今すぐこの世果つともテーマ詠
「新」
しっかりと胸を包みて美しく背筋を伸ばす君と逢へる日
襟首とカフスをぴんと整へて息子にそっとエールを送る
重ねても会議は慣れず凍りつく人々は海わたくしは何
幾たびも名前を書いて思い出す幼い頃の頭(こうべ)の匂い
明るい日窓の光に起こされる今日という舟さあ飛び乗って
朝起きると雨が静かに降っていました。窓を開けたら空気が柔らかく湿度が心地よく、思わず深呼吸をした。
今年は桜をみに行けなかった。その代わりに、先日観た映画のことを書こうと思います。
「クーリンチェ殺人事件」4時間ほどの台湾映画。2200円。とても良かった。面白くて長さを感じませんでした。
この映画、昔家でビデオを観た時は画面が暗くてわからなかった。内容もほとんど忘れてしまっていた。今回ほぼ初めて観るような心地で、でもああここは覚えている、と思い出しながら、まるで懐かしい場所を訪れるように、映画の世界にひきこまれました。
1人でも多くの方に映画館に足を運んで観てほしいので、あまり内容には触れません。また、どんな映画か、一言では言えない作品です。感想文と言いながら、すみません。
1つだけ言わせてもらうならば、この映画には、生きるということ、友情、恋情が瑞々しくリアルに描かれています。主人公を取り巻く家族(父母兄1人姉2人妹1人)、友人、知人、敵対する人々、恋人、隣人、先生…
全ての人々の人間像と、それぞれとの関わりが、きちんと描かれている。どの人物も魅力的です。そして魅力とは善悪ではない。
そして、物語の流れが、結末が、どうしてそうなってしまうのか、とても納得させられる。
映画の中で起きること、描かれること全てが必然なのです。謎を孕みながらも。偶然が重なる恐ろしさや、そうはならなかった可能性も示しながらも、どうしようもなく、迫ってくるのです。
おかしくて、ひりひりして、切なくて、あたたかく、恐ろしく、悲しい。でもどこか希望があります。
観終わったあと、ああ、生きていきたい、と思える映画です。
また、自分の人生と、日本という国を、考えるきっかけにもなるかもしれません。
ぜひ、映画館で観てください。
映画から少し離れて、友情と恋情について。
わたし自身は、あまりこの2つに区別がありません。そんなことを言うと変な目で見られそうですが。
どちらも他者を好きと思う心、だと思うからです。生きていてお互いに魂が惹きつけられる現象だと思っています。そして、一人きりでは成り立ちません。お互いに通い合ってこそ、友情、恋情、と思っています。一方的に思うのは、思慕の念です。わたしにとっては。そう定義しています。
「男女間に友情は成立するか?」という話がありますが、わたしにとっては、異性間でも同性間でも、友情も恋情も成立すると思います。異性と同性、友情と恋情に線引きをすることにあまり意味があるようには思えません。
強くお互いに惹かれ、肉体関係を持ったり、持たなくとも、四六時中一緒に居なくてはいられないほど好きならば、またはお互いのことがお互いに心を離れず埋め尽くされるようであれば、お互いにかけがえのない存在で相手のためなら自らを投げ出すならば、それは友情なのか恋情なのか、もはやどちらでも同じではと思われるのです。
また、もっと冷静に距離を保てる友情もあれば、恋情もある。淡々と穏やかなのが友情で、燃え上がるのが恋情というのはわかりやすいのですが、それに当てはまらない場合もたくさんあると思います。
映画の話に戻ると、主人公が属する学校の少年の世界では、友情が尊ばれ、恋情はそれよりも低いものと見做されています。男尊女卑的な考えもあるのかもしれません。女など理解する必要はない。大人の世界でもそれらしいことが描かれています。
しかし実際は、女性の持つ力や影響は計り知れず、男性は女性に惹かれ、男性の持つ弱さ脆さもきちんと描かれています。
女性もまた、弱さ脆さがあり、お互いを理解しまた理解できず悩みながらも助け合いすれ違い愛し合い生きていく。その描写がとても良いです。
親子、夫婦、兄弟姉妹、友人、知人、全ての関係に通いあい流れるもの。生きていくことはその交流を限られた時間の中で絶えず持つことなのかもしれません。決して孤独ではない。支え合って生きている。映画を観てそのことを改めて実感し、深く胸打たれました。
甘ったるくはないけれど、愛に満ちた映画です。
ぜひ、観てください。
はーなんとか間に合った!
卯野抹茶様、皆様、今月もありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
短歌の目3月
1. 草
若草の匂い体にまとわせて君と秘密をひとつ重ねる
2. あま
あまねくと願う平和の礎を築くためにぞ労を惜しまず
3. ぼたん
つぶらなる黒きひとみの虚無ゆえにぼたんいんこの羽鮮明に
4. 鳥
鳥のごと頭を寄せて君笑めば我はついばむ柔らかき頰
5. 雷
春雷の轟わたる曇天に亡き父探す叱られたまま
テーマ詠「捨」
からっぽの部屋に残した二十四のわたしを探す余震の街に
箱の蓋開けて中身を確認しやっぱり君を好きだとしまう
さよならを言わせないよう人形はコトリと箱の外へ転がる
はやいものでとうの昔に2月は終わってしまいました。
ずっとやりたかった、短歌の目の振り返りをします。
http://tankanome.hateblo.jp/entry/2017/03/05/130000
どんなに忙しかろうが、一日一つは、こころのそこからやりたいことをやる!と決めました。
振り返りはすごくしたいけど時間がかかるのでさぼっていました。1月かな?ななさんがして下さったのに感銘を受けました。
文中皆様を勝手にブログ名の一部でお呼びしますがお許し下さい。
自作ふりかえりは別記事にて行います。
全ての短歌はこちらから読めます↓
短歌の目2月作品をご紹介します
http://tankanome.hateblo.jp/entry/2017/02/25/070000
つのへび日記さん
洗
重曹で洗えば落ちる染みもありこころはたぶん陶器ではない
2. 鬼
鬼は外出て行ったきりふるさとの人ただ老いてゆく節分会(せつぶんえ)
3. 入
入ったら戻れぬ仕掛けの前に立ちすでに仕掛けの動作すを知る
題詠「夢」
ないことになった一世(ひとよ)が一夜(いちや)ごとどこかに増えてゆく罪の朝
たましひがちょっと抜け出ては戻るやうにシ♭ドレソレドシ♭鍵が波打つ
◇全部すき。全部ご紹介したい。しかし初っ端からそれは安易であろうと遠慮しました。
つのへびさんの短歌は理知的です。奥行きが遠くまで広がっている。向こう側に幾層にも重なる世界がある。それでいてきちんと伝わるのは言葉の選び方が的確なのだと思います。
夢、の歌はシュールで不穏な感じで、いつものつのへびさんの歌とは違う手触りがしてうなりました。夢とはまさにそのようなものではないか、と思います。
ドビュッシーの種明かし、には驚きました。音符をそのまま詠む発想すてき。
近づいて、遠ざかるまであと少し。きさらぎのねつ、うちにとどめる
もう少し長く居れたら、真実になると信じる。こちら側こそ
◇京都さん、の短歌は現代詩のようでひりひりとします。どきり、もします。
自分で納得しない言葉は絶対使わない、感じがします。
あとなんだろう?ブログ名の通り、手紙をもらったような気持ちになります。
以下私信です。
前髪は重要です。何かと。前髪の長さやアレンジの仕方で女性はどんな方かある程度見当をつけることがことができるかもしれません。たとえは悪いですが、犬同士がくんくん匂いをかぐように、前髪の長さやぱっつんか斜めかおでこ出しかスダレか、で年代やら嗜好やら何かを嗅ぎ分けるのです。しかし男性にはさっぱりわからない無言の応酬と思います。笑。言及していただいたのに今頃お返事ですみません。
好きな言葉を採集さん
http://shima-aya.hatenablog.com/
洗いたてあなたのシャツが乾くまで愚痴の一つも聴かせてやるわ
2. 鬼
いま鬼に舐められた我めまいしてこれが怒りという感情か
3. 入
ポケットの多さのせいで入れるべき物を持たないことに気付いた
4. チョコ
寒さ増すほどに板チョコ割る音が1オクターブずつ上がってく
◇うーん、うまい。鬼とチョコの歌が特にドキッと刺さりました。
すみとも乳業さん
http://tmtkkiyyy.hatenablog.com/
洗髪時改めて思いやるつむじあなたはあの日どう見てただろ
うつくしく満たされる夢受話器取る間に散り散りて口ごもる朝
◇洗髪時…の歌、すごく好きです。つむじ、かわいい。つむじ、せつない。
夢の歌、いい。わかる。
そこ、ハイフンさん
http://tuchinocoe.hatenablog.jp/
優しさを受け入れてみるすみやかにボディソープは愛にあふれて
4. チョコ
ピンヒールで刻むフロアに鳴り響くチョコレイトディスコ、チョコレイトディスコ
5. きさらぎ
きさらぎのアクアラインに朝日差し都市にも眠りと目覚めがありぬ
◇かっこいいです。クールです。うらやましい。
さらさら録さん
http://baumkuchen.hatenablog.jp/
群れに入れずはぐれた雲を見る あれはわたしの背中の形
4. チョコ
チョコミントアイスを好む君のこと解らないから見つめていたい
5. きさらぎ
きさらぎの春待ちすずめはころころと膨らみ並んでお団子のごと
◇あれはわたしの背中の形、泣きそうになりました。いい。
チョコミントアイスの歌は、可愛い。そんな気持ちあった。懐かしい。
すずめ団子最高!!!
koma.uswさん
http://vodka.hateblo.jp/entry/20170223/tanka/
人として生きるも死ぬも出来なくて私を剥がせば綿状の鬼
ごみのなか私の大事な方舟をゆめゆめかわいい色に塗るんだ
どちらもざわざわする歌。綿状の鬼、ってこわい。すごくこわい。方舟の歌の世界もとてもよくわかってこわい。
何かのヒントさん
人殺しと書いた破魔矢を折り捨てて入眠儀式の一環とす
きさらぎの就学前の児童は覗く空中元素固定装置
「夢」
盥という文字の顔した叔母さんら夢の額縁模様となりぬ
◇ああもうかっこいい!!!こんな歌詠めるようになりたいです。
1.洗
ずっと前、この前シーツを洗った日よりもっと前に好きだった人
2.鬼
鬼瓦 屋根の上には古の乳歯の入ったフイルムケース
3.入
入るという字は人々が支え合い どこへ向かうというのだろうか
4.チョコ
チョコレート噛み砕いたら苦くなる 悪いのは私じゃなくて君だ
5.きさらぎ
きさらぎよまだ生きていていいですか 春一番は生温すぎる
テーマ:夢
ドアがあるドアのむこうに道がある道のむこうに君が待ってる
草むしりおごろうかばかりコーヒーでもかわいそうだしでもおごられた
楽しみは?と訊かれ答えるないですと車エアコンボロくて風
私の償却期限を訊ねると子供は泣いた倉庫も燃えた
1. 洗
からからで息ができない薄皮を洗い流せる雨をください
2. 鬼
嘘つきで正直な眼の鬼たちは疲れた君にきっとやさしい
3. 入
入り口の狭さ暗さにあきらめたあの道をいつかだれかが通る
4. チョコ
義理チョコがファイヤーキングに変身し帰ってきた日 君よ元気か
5. きさらぎ
きさらぎのあわいあおぞら 思い出は融けてぴたぴた地面に落ちる
テーマ詠「夢」
甘い夢 手をつなぐ人のいることを甘い夢としか描けない今日
眠るたびふらふら出会う夢のなかピアノを弾いてあなたはうたう
みずからのあまいいきで眠りにおちるマスクのなかのマタンゴのゆめ
1. 洗
三十路には三十路の身体つきがあり洗濯表示を無視してわらう
2. 鬼
プロテイン、プロテイン、って喧しい背中の鬼に納豆投げる
3. 入
恋人に化粧ポーチを晒すとき入植者の目をしているわたし
4. チョコ
純白にチョコを散らかす踏む抉る油圧ショベルは春を探して
5. きさらぎ
北からの汽車は今年もきさらぎの半ばあたりで電車になった
テーマ詠「夢」
てのひらを子宮にあててねむる朝 永久歯ばかり舐めている朝
入院の言葉に怯え暮らす日々 我が子あやせず泣かせるばかり
4. チョコ
ちょこまかと逃げる幼児を追いかけて気づけば終わる毎日がある
5. きさらぎ
2・3日 ひがないだけで如月は短すぎると文句をいわれ
第16回短歌の目2月に参加いたします。主宰の卯野抹茶様、皆様、今月もありがとうございます。よろしくお願いいたします。
題詠 5首
1. 洗
洗わずにとっておきたい時間ごと幼子の服ちいさくたたむ
2. 鬼
鬼ならばここにも居ます昔からすっかり馴染み角も失くして
3. 入
入り交じる想いのストロボライトにて君の輪郭浮かんでは消ゆ
4. チョコ
チョコ買って家族で囲む夕食後ふたりの時間ふと思い出す
5. きさらぎ
きさらぎといえばハニーですみませんアンドロイドになれぬ私は
テーマ「夢」
なぜ泣くの知らず涙は流れ落つ理由はいつも眠りの向こう
私の心も時も焼き尽くすその残酷を憧れと云ふ
ひくひくと動くまぶたの薄明かり赤子の心やすらかに飛べ
手を握り共にはゆけぬ二人ならせめて眠りの国で落ち合う
幾たびも父の骸は早朝の白き光に訥と置かれり
*文中フォントが大きくなっておりますが、スマホから投稿の不具合によるもので、意図的にではありません。お許しください。