ほしいぬ

書いたり、詠んだり。

名残の薔薇

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開園を待っていたよに咲いていた名残の薔薇にわたしほころぶ

 

海眺むベンチはテープ縛されて怒りは真の敵にぞ向ける

 

いたましき事件に怒り熱帯びて痛み傷まし悼みつつ生く

 

コロナ禍は尊き命日々奪い悪を露わに見せつ流れる

 

良きことを砂金のごとく掬いあげ善き行いを重ね未来へ

 

 

 

 

肩に力の入ったいかつい歌が多くなりました。

いやだなあ。

真の敵、なんて。剣呑です。

 

自粛宣言が明け、ぼちぼちと生活しています。

コロナの前のようには全然戻らないけれど、それでも家族が罹患せず、マスクやいろんなことに気をつけながらでも外出できるのはありがたいです。

同時に、罹患された方とご家族の方の心労を思います。

 

今回のことでいろんな物事が無くなったり変化したりしました。それらはもう元には戻らないかもしれないけど、生き残ったからには、どんなにたくさんのことが流れ去り失おうとも、変化を受け入れて、生きようと思います。

なるべく心に余裕を持ち人間らしく生きたいです。

今回のことで世の中が良い方へ向かうように願います。

 

暴力、差別、自由を奪うもの、嘘、抑圧、私利私欲を追う輩、が露呈するなかで、勇気、希望、良い意志と行動、思いやりが灯す明かりに温められています。

わたしもよいことをしよう。少しずつでも。

皆さま無理はなさらずどうぞお大事に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とんとんと

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とんとんと野菜を刻む台所いつものようにいつも通りに

 

三色の花が一つの木に咲いて桃紅白の個性うつくし

 

自らを励ます香りしのばせて御不浄掃除きゅっきゅと磨く

 

常の日の喜び今は叶わぬが傘のお家を子らと作りぬ

 

終息し心たいらに生きる日を迎えんために「もしもしかめよ」

 

 

闘病中の皆様とご家族の皆様、医療従事者の皆様の安全と安心をお祈りいたします。

疫病が終息しみんな安心して暮らせますように。

 

今朝わたしは野菜スープを作りました。にんじん玉ねぎキャベツ小松菜ベーコンひらたけ。冷蔵庫の残り物を少しずつ組み合わせて無心に細かく刻みました。

簡単な料理なのにこんなに沢山の野菜を刻んだのは久しぶりのように思われました。

しんどい時は調理、中でも献立作りと刻みものが辛くなるので、しんどかったのねと改めて思います。

 

みなさまくれぐれもお大事に、なるべく好きなこと楽しいことをしてお過ごしになれますようお祈りしております。

 

迷言蛇足。

1.わたしは短歌に古い言葉を使うのが好きです。御不浄とかね。しかし明治大正生まれではありません。

最近「鬼滅の刃」にハマっているので(ものすごい名作です!)明治大正時代の人になったつもりでエセ日記を日記帳に書いてみようかなと思います。

最近読んだ小説では「忘れられた巨人」が素晴らしかったです。カズオイシグロの言葉の世界の力強さ。物語の力。時を忘れて読み、現実へのパワーをもらいました。

 

2.「もしもしかめよ」は皆様ご存知と思いますが手洗いの時に二回繰り返して歌うと良いそうです。「ハッピーバースデー」でもよい。歌いながら丁寧に正しい手洗い方法で洗います。

昔「ER 緊急救命室」のドラマを観ていたのですが、登場人物の医療スタッフになった気分でやっています。アビー看護師(のちに医師)とかね。気が強くて勇敢で優しく弱く人間らしいところが好きでした。

今まで自分がいかに手洗いをいい加減にしていたかよくわかります。

 

自分のブログはなかなか書けませんが皆様のブログは読ませていただいております。読むと元気が出ます。大変な時に書いてくださりありがとうございます!

 

私信:猫月さん(id:necozuki229)、idコールとブックマークありがとうございます。生きてます。(笑)猫月さんのブログ読ませていただいてます。黄色スターしかつけられずごめんなさい。応援しています!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

順番に

順番に春はカーテン開けてゆくさよならを言う準備をせよと

 

眼裏(まなうら)に君の体温陽のひかりいつしか白く忘るるとても

 

先端は透明なまま青空を切り取る花の香のみ憶えて

 

未だ咲かぬ蕾の黄金(こがね)つやつやと弾む命をぐっと湛(たた)える

 

花の枝束ねるひとの手は赤く乾きて固し農の険しき

 

わたしは蠟梅が好きです。

先日神奈川県足柄上郡松田町の「寄(やどりき)ロウバイ祭り」に行く機会があり、山に植えられた沢山の蠟梅を堪能させてもらいました。

蠟梅という花は蕾はくっきりとした黄色なのですが咲くと色が淡くなります。花弁の先端は半透明で蝋細工のようです。鈴蘭のように俯き加減に咲く姿が可憐です。

雪中四友といい、雪の中でも咲いて春の先駆けとなる花の一つだそうです。(ちなみにほかの三つは白梅、さざんか、水仙)

英名はwinter sweet。

香りがなんとも言えずあまくさわやかな芳香なのです。

山に立ち込める良い香りの空気を何度も吸い込みました。

 

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淡い黄色は遠目に見ると地面と同化してしまいます。茫とかすんで春の山らしい柔らかな美しさ。


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手前は足柄茶の茶畑。

足柄茶はすっきりとした苦味が爽やかなお茶です。おいしい。


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夢中で沢山撮りました。

 

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切り花を300円で売っていて、帰り道も家でも花を楽しむことができました。

枝を束ねてくれた人の手は固くがさがさで厚みがあり、長年農に携わる人特有の手でした。

働き者の手。

祖父も同じ手をしていたことを思い出しました。

 

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ロウバイまつりポスター。

 

家族が病を得て何かと気の塞ぐことがあり、またうまくいかないことなどもあったのですが、好きな花を見るために小さな旅をさせてもらって、気持ちがすうっとしました。感謝です。

家族も元気になって、家族が行きたいところへ自分で自由に行けるようになりますように。

 

あまねくすべての人が、そうなりますように。

 

 

 

 

春を待つ

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不死鳥のごとき希望は重たくてそれでも春の足音ぞする

 

春眠やまぶたにつもる薄雪を払いて蒼き夜明けをのぞむ

 

白い空雪降りなむと仰ぎ待つ子らの頭(こうべ)を風撫でわたる

 

温めたタオルを首にあてがいてこの子の痛み溶けよと願う

 

ほがらかな笑顔はどんな刃より鬼を払うと蝋梅の云ふ

 

 

 

寒中お見舞い申し上げます。

佳い年となりますように。

 

 

 

 

12月の歌

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重なった幸と不幸の花びらにやさしさの露白く光りて

 

来年の手帳選ぶ手ふと止まる予定予測をせずに生きたい

 

ル・ポールの番組競う美女たちの輝くドレス涙の糸よ

 

なによりも君の幸をぞ望みつつ降り積もる雪かき分けて生く

 

願いごとひとつツリーの星に告ぐ君の世界よひろびろと存れ

 

 

 

一年の最後の月。

皆様にとって素晴らしい日々となりますように。ご健康とお幸せをお祈り申し上げます。

いつもありがとうございます。

 

 

 

 

すこし明るい

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うつうつとわくわくめぐる胸の中半月なれどすこし明るい

 

たたきつけぎゅうぎゅうこねて休ませてふくらむパンをわたしも作ろ

 

たくさんの本売りお盆ひとつ買う皿の重さがふと軽くなる

 

丁寧に塗られたお盆いちまいの朱色の木の葉生かされている

 

 

 

前回の記事ではご心配をおかけしすみませんでした。スター、労りのお優しいお言葉くださりありがとうございました。

 

 

 

 

 

兎と林檎

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塩水の中でも跳ねようさぎの仔泥濘(ぬかるみ)の道陽のふりそそぐ

 

 

 

 

昨夜はだいぶ雨が降りました。

被災地に降らないといい、と雨音を聞きながら願いました。復興を心よりお祈りしています。

 

家族の具合が悪く右往左往する毎日です。

おかげさまで少しずつ良くなっているとは思います。つらさや不安や焦りは誰よりも本人にあるのでわたしが落ち込んではいけないのに心塞ぐこともあります。

誰もが思うことですが、代わってやれないのがつらい。

 

その上いろんなことが起きて、一時はにっちもさっちもいかなくなりました。

わたしは基本的にはなんでも自分でやりおえたいと思って生きていますが、欠点も多く、決して有能な人間ではありません。

頭を下げて人の助けを借りました。

それで助かりました。

家族や友人にも助けられています。

ありがたいです。感謝しています。

 

ちいさなよろこび。

秋映りんごがお安く手に入りました。市場にではじめた頃は高価でした。今も高級りんごではと思います。

家族のお弁当用にうさぎにしてみました。

塩水に放ったものの、不器用なのでうさぎに見えない…頭をもっと小さくするべきでした。

それでもわたしにとって、これはうさぎ。

今はこんなに不出来だけど、練習して次はもうすこし格好よく仕上げましょう。

このお皿のように、わたしもすこし、いやたくさん、欠けているのです。

いっぱい助けてもらって、ひととひととのつながり、関係性の中で生きている。ひとりぼっちじゃない。

このはてなブログもその交流の大切な場所の一つです。ありがとう。