http://tankanome.hateblo.jp/entry/2015/08/01/000000
*いろんな方の感想を読ませていただき、また宇野抹茶さんと川添さんの対談を聴かせていただいて、やっぱり感想を書かせていただくことにしました。ベートーベンの第九は合唱付と表記されますが、こちらも感想付でお願いします。すみません。何言ってるんだ?(笑)
なので、前置き文と各歌の部分に食い違いがあります。
卯野抹茶さん主宰の、短歌の目8月に参加させていただき、ありがとうございました。詠むのも読ませていただくのもとても楽しかったです。わー難しいな!とも思いましたが。
読んでくださった皆様、スターやコメントを下さった皆様、改めましてありがとうございます。
そして今頃ですが、卯野抹茶さん、お題を採用くださりありがとうございます。
日焼けと、うれしはずかしちゅーのうたがたくさん読めて満足です。イッヒッヒ。
皆様の歌から、一つずつ好きなものをあげさせていただきます。
講評できるほど歌を勉強してないペーペーですので、あげるだけですみません。
好き!という気持ちだけお受け取りくだされば幸いです。え?いりませんか?まあそう言わず。無理やりのラブコール。キモくてごめんなさい。
あと、皆様のブログ紹介と、IDコールも省略させていただきます。失礼おゆるしください。
風信子さん
3. 蝉
蝉の眼を集めて再生してみたら
夏光光夏だけ写って
わたしは割と子供の頃から蝉が好きで、捕まえてきた蝉の目をつくづくと見たことがあるのですが、綺麗です。そこからは何も読み取れない硬質な美しさ。
しかし、蝉の目に映る映像、しかもそれを再生するなんて考えてもみなかった。
夏光光夏、という鏡合わせみたいな文字も素敵。全体に私はこの歌からとても美しい印象と、不思議な感動を覚えました。
りょうさん
4.冥
突然に 姿を消した あの人の 冥福を祈る ただ静かに
こういうことは確かにあり、しかもよくあったりします。死は予告なく訪れ、そういうものなのだと知りながらいつも胸を衝かれる。そのあとの静かなあるいは悶々とした祈りの時間。
レターフロム京都さん(すみません‥)
川添いさん
1.ジャワ
自らを気づかせまいと遠くから語りかけてる目線ジャワジャワ
なにこの違和感!気持ち悪さ!と惹かれました。でも感覚の鋭さに舌を巻いた。確かにこんな視線ってあるような気がする。
ジャワ島しか浮かばなかった自分の発想力の貧しさも反省。
なぎさらささん
2.くきやか
紅色がくきやかに映ゆる横顔を眺めるためなら右目を捧ごう
カリオストロの城!って思ったのですが自分でも意味がわかりません。心配する美しいヒロインに片目を瞑って手品を見せるルパンが目に浮かんだ。多分横顔と右目に反応したのか。いや、全体にかっこいいからだな。
なんて鮮やかで気障でかっこいい!と思ったのには、ちゃんと仕掛けがあって、紅色、くきやか、映ゆる、横顔。と美しい印象を畳み掛けて、「眺めるためなら右目を捧ごう」でもう持ってかれました。私は逆立ちしても詠めない歌。
稲田さん
8,風鈴
宵涼み 今日の終りに 吹く風を
風鈴の音で 感じて睡る
しみじみといいです。今日の終わりに吹く風、って浮かびそうで浮かばない。
眠る、じゃなくて睡る、がとてもきいている。
局長さん
5.まつり
かさぶたが剥げたまつりの後のやみくもにとりあげ赤子は三時
わけわからん歌が多い(…ごめんなさい)でもかっこいい!と思うのですが、これもわかるようなわからないような。そんなんどうでもよくてかっこいいからいいのだ。それでいいのだ!
ルナさうるすさん
7.くちづけ
君想ひ朱にそまる
暮れ六つの灯り背にしてくちづけ落とす
あーこういう歌詠みたかったよくちづけで。と思ったので選びました。汚れちまった悲しみに。綺麗です。風情があります。若い今しか詠めない歌の清冽さ、ロマンティックさ。
詩うたいさん
9.菊
復活を望む
祖母と見に行った
ひらかたパークの大菊人形
ひらかたパーク懐かしいです。菊人形ってほんと変なものです。人形が首で着物が生きた菊なの。でも忘れられない。またいつか観たいし、人にもみせたいです。それだけかい。いや、いい歌です。ほんとに。素直なんだもの。素直が何よりです。
あんずさん
7、くちづけ
アイシテル言葉いらない慰めて ほらくちづけで弄んでよ
いいネッ!横山剣さんの口調でこう言いたい。
アイシテルがカタカナなのがクールです。慰めるとか弄ぶという漢字はなんていやらしいのか。いや、いやらしいのは私か。
とがみさん
10.【怪談短歌】
いつまでも、ずっと一緒とあの人の視線が今も張り付いている。
これは怖い。
スティーブンキングで、送って行くよキャスリーンというサイコホラー短編があったと思うのですが、 それを思い出しました。
粘着質で支配的でサドの夫に長年痛めつけられ、耐えかねて浮気をして恋人と逃れようとする女性が自動車事故で寝たきりになる。
それを、くだんの夫が、ぼくが一生看護してあげるからねという恐ろしいラスト。
怪談短歌はとてもむずかしいお題でしたが、見事!と思いました。
しょうへいさん
2.くきやか
烈日に街くきやかになる前の僅かな時間に駅まで行きたい
ああこれはすごいです。夕陽に照らされてギラギラくっきりと浮かび上がる街、その前にたどり着きたい駅。何かに追い立てられるような心。ふとした瞬間が鮮やかに切り取られていて、うまいなぁ!こんな歌詠めたらなあ!と思いました。
ゆれスカさん
5.まつり
ネガティヴな悪い癖です 考える
まつりのあとの あとのまつりの
これは好きな歌。上の句すごくわかる。そして歌うような言葉遊びみたいな下の句の軽みが素敵。気持ちはそんなに軽くないんだけど、とん、と自分を突き放して歌にしているのがよいです。
稲沢さん
7.くちづけ
行きずりの女が残すくちづけは 愛ではなくて殺意と同じ
かっこいいなぁ!
これもルパン三世とか007とかを連想してしまいました。単純。あとエレファントカシマシの歌。
Kazさん
6.日焼け
桃ひとつするりと皮を剥ぐきみの肩口つかまえはぐ日焼けあと
桃の皮むきと日焼けあとの皮剥ぎの連想、だけで終わってなくて、きみの肩口つかまえ、 とか桃ひとつ、とか全部効果的で、とても完成度の高い歌だと思います。
いまだなつきさん
7.くちづけ
約束を重ねた分だけくちづけは花ひらくよう静かに離れ
ああ、切ないです。そして美しいです。
花ひらくように静かに離れ、ってよく浮かんだなぁ。ノートに書き留めたい歌。
amenomorinoさん
4.冥
一面を染め焼け落ちた 何もない 冥い空見上げ 学童は啼き
これは原爆の歌なのでしょうか。とても鬼気迫り、胸塞ぐ重さがあります。重さを歌にできるのは、とても羨ましい技量、上級と思います。
naorhythmさん
5.まつり
きっと来る ふるさと祭り 永遠に 同級生は 「あの子」のままで
これはわかる。かわいい大人の歌です。大人だってかわいいんだ。大人だからかわいいの。悪いか!?
桜井さん
6.日焼け
海の家・日焼け・砂浜・コパトーン 愚かに青く愛してた夏
いいですね。文句なしです。夏ってこうじゃなくちゃー!
roland29さん
3.蝉
飛ぶ蝉をよけてぶつかる二の腕のやわはだまぶし目落とし会釈
これは抑制されたエロスというか色気を感じました。大人やなぁ。こんな歌も詠んでみたい。この視線、描き方、惚れます。
続きます!