「短歌の目」主宰、「nerumae」
ブログ著者の卯野抹茶(id:macchauno)さんと、「letter from kyoto」の川添さん(id:kkzy9)の対談を聞きました。滅法面白かった。
下記は、卯野さんのブログから一部転載です。
http://nerumae.hateblo.jp/entry/2015/08/28/232304
ひょんなことからLetter from Kyotoの川添(id:kkzy9)さんと対談しまして、遅くなりましたがそのあとがき、いつか次の機会にむけての改善点ふりかえりです。
川添さんが意外と真剣に短歌の目に取り組んでくださっていた
はてなで題詠短歌を詠もうという企画「はてな題詠「短歌の目」」を運営しています。
川添さんはそれに不定期で参加してくださっています。
あまりに川添さんの詠まれている歌の内容に気負いがなさすぎて、「この人旅の合間にスラーっと詠んでんのかなー詠めちゃいそうな人だしなー」と正直まとめ側にあるまじき色眼鏡をかけて読ませてもらっていたのですが、録音15分後くらいからの「川添さんが短歌を詠むさいに心がけていること3つ」を聞いてちょっと感動しました。
わーこの人けっこうガチで短歌を詠んでくださっているし、「よい短歌」像というのがちゃんと見えているんだな、と。
ちなみに川添さんの挙げた「短歌を詠む際にこころがけていること3つ」は、
・テーマを意識しない
・難解な語彙を使わない
・普通の文章としても違和感なく読める
とのことでした。具体的な取り組みについては、ぜひ聴いてみてください。開始15分くらいから短歌の話です。
↑転載ここまで。内容はほんといろいろ面白くて知的、笑ったり、ためになったりで、聞かせてもらって良かったなぁ!と思うことばかりなので、皆様ぜひお聞きください!です。お二人に感謝です。
しかしこのエントリーでは、ちょっとズレたところでわたしが引っかかったことを書きたいと思います。そこかい!って言われそうなこと。
1.声、話すこと、について
お二人とも声と話し方、テンポがすごく良かった。らしかった。なるほど一人でブログを書くのとは違うんだなぁ。その場でのLIVEだから、当たり前かもしれないけど、声に出して言葉を交わす、というのはこんなにも刺激的なんだなぁと。言葉の球でキャッチボールして、転がる先が見えない面白さは、何物にも代え難い魅力と思いました。しかし誰が誰と喋ってもこうなるかと言えば決してそうではない。
常に読み書き考え、インプットとアウトプットを積極的にしておられる、流れる川、いや湧き出る泉、好奇心を広く深く保ちフレッシュな知性を持つお二人だから、面白かったのです。
2.直接対面せずに対談することについて
ネットでの対談なので、画面でお互いの顔を見ながら、もしくは見ないで声だけ、でされたのでしょう。
それであれだけ初対面の人とよく話せたな、と。
わたしは古い人間なので、もちろんお互いにブログを読んだり投稿したりというある程度の相互認識や理解があったとしても、ネット上でああいう風に開いて話せないと思った。
お二人はちゃんと対談してる。すごい。と思った。
わたしは生身で、対面せずにはああいう風に話すのは難しい。
もちろん時間空間の制約や、生身で会うことのリスクもあるので、それに電話だと逆に親しく話せるとか、それはとてもよくわかるのだけれど。
生身で会えば、有形無形の情報がかなり伝わってくる。お互いに。その人が本気で隠そうとして、隠しの名人でない限りは。
だから何?かもしれないけれど、そこで何を話し、何を聞くか、が決定される気がする。信頼と言ってもいい。この人とはこのことを、ここまで話す。この人の話、聞いてわたしの中に入れる。考える。話し合う。そのジャッジが瞬間的に臨機応変になされると思う。わたしの場合は。
生身のその人全体から伝わってくる雰囲気、わたしはそれを大切に思う。
昔はそうではなかった。言葉だけでもよかった。歳をとって疑り深くなっているのかもしれない。
しかし、年齢にかかわらず、生身のその人が
身につけてきたもの、まとっている時間自体に触れるのが楽しい。おもしろい。そう思うのだ。
忙しいというのもあるけれど、昔より本をあまり読まなくなり、その分できた時間で自分の体を動かしたり楽器を練習したり、人に会ったりする方が楽しくなっている。
は!だからバカが加速しているのか?(笑)
3.コミュニケーション
対談の中で、とても印象的なくだりがあった。
ブックマークやコメントについてどう思うかという話であった。
ざっくりとわたしの印象でいい加減に書くが(本当はちゃんと対談を聞いてほしい)
卯野さんは、ブックマークコメントが沢山つくのはいや。5から6以上になると、記事の本筋とは関係のないコメントがつけられたりするので。という話だった。なのでそうならないようにブログを書いている、と。
川添さんは、コメントは面白い。どんなものでもあー面白いなと読む。という話だった。
それで、川添さんは、卯野さんに、コメント気になりますか?(中略)そんなに気にしなくてもいいんじゃないかな。と言った。
あと、なぜブログを書きますか?という川添さんの問いに、卯野さんは、公共に出しても良い自分メモ、的な答え。
そして、川添さんは、人とコミュニケーションはしたくないけれど、関わりたくはないけれど、人の意見は聞きたい。聞くのは面白い。議論をするのも。それで自分の思考が深まるのが楽しい、的なことをおっしゃっていた。
わたしはどちらかといえば、卯野さんに近い。
ブログに書くこともそうだし、(ただし短歌ブログは創作なのでちょっと異なる)人のコメントは気になる。返信もする。まかり間違ってもホットエントリになるようなことは書けないし、たとえかけても書かないので、?と思ったり嫌なコメントをもらうことはない。
そんな事態になったらネットから離れると思う。一時的に避難。回線を切る。
スパムコメントはあるけれど、嫌だったのですぐ消してブロックした。
要するに、ネット経由の見知らぬ人からのただの言葉に、自分の生活や時間を侵食されたくないのだと思う。
そして言葉はどうしても気にしてしまう。たとえそれが通りすがりの人から投げつけられたゴミのようなそれであっても。
川添さんの強さ、気にしない力を少し羨ましく思う。
川添さんと異なり、わたしは、人とコミュニケーションをとりたい。しかし、それは基本的には生身のものだ。生身から受けるリスクをお互い引き受けられない相手とは、それなりの付き合いしかしない。ブログは好きだし、はてなハイクは好きだ。大切に思っている。しかしツイッターはしないしSNSもしない。(ツイッターに挙げられた記事や情報が読みたくて読むことはある)その線引きはいい加減なものだけれど、わたしの中にはある。
人とコミュニケーションをとりたい、と書いたが、得意ではないし、好きでもないし、積極的でもない。日々雑事に追われかつ要領も悪いので、時間もない。
だから、ごく限られた人々とのコミュニケーションを、細々ととっている。
しかしそれは、可能な限り、お互い深くコミットしていると思う。細く長く深く。
そしてそういうコミュニケーションにしか、興味がない。語弊があるけれど。
なんというか、好きな曲を繰り返し聞いたり本を何度も読んだりするタイプなのだ。いろんな曲を聴いて良いなと思うけれど、好きになってどんどん突っ込むのは少し。それに近いと思う。好きな人とはとことん。そして飽きない。
…書いていて、自分の偏屈で自分勝手な閉じっぷりが情けなくなってきた。まぁいい。要するにキャパの狭い人間なのです。
たぶん川添さんは人間全体に興味があり、わたしは個々の人にしかないのだと思う。
川添さんの文章は面白いし、うまい。興味の対象が被る部分もあるし、そうでないものも読ませる力がある。
そういうものが書けて、自主的に発信できるのは、充分コミュニケーション力があるし、コミュニケーションしたいと思っているのでは?と思うのだけれど、どうだろうか。
突き詰めると、その人にとってのコミュニケーションとはなにか、という話になるのかな。長いのでこの辺で。
4.ラジオとホラー
お二人の共通項として、ラジオが好きというのが挙げられると思う。そして非共通項として、ホラー映画的なものがダメかOKかがある。
ラジオの話は対談では出なかった。でもこの対談が成り立った要素の重要な一つに、ラジオの存在があると思う。お二人のブログやツイッター、対談自身からそう思う。
お二人ともラジオを聴いていた、それが好きだった。だからこうなった。的ななにか。(笑)
冗談ではなく、質問の仕方、うなずきかた、ズレ方、フォローの仕方など、ラジオリスナー経験で鍛えられたのだと思います。ラジオはいい。ラジオえらい。もっとラジオを!(笑)
ちなみにわたしはラジオが好きで、ホラーはダメ。夫はラジオが好きで、ホラーOK。なので、ホラーの対談はすごい既視感があった。どうでもいいけど。
夫は川添さんと同じで、ホラーは作られたもの、仕掛けがわかるから怖くないと言う。心霊的な怪奇現象体験もなく、信じない。
わたしは作り物とわかっていても、怖い。怪奇現象体験はほぼ無いけれど、それを感じる人の話は聞く。そういうこともあるかもなあと思う。世界は広い。人知を超えたいろんな面があってもおかしくないと思う。そして人の感覚は様々で人による。その人にとって世界はそういうものだというのはわかる気がする。
ただ、それを利用して騙したり人の弱みにつけこんだり、不安を煽ったりお金儲けするのはもちろんダメだ。とても軽蔑するし、糾弾したい事の一つでもある。めんどくさいからそんなにしないけど。身近にそんな悪い奴がいたら撃退する。それははっきりしている。
とてつもなく長くなりました。ごめんなさい。
改めて、対談ありがとうございました。貴重な内容はもとより、お声が聴けて嬉しかったです。声フェチ欲満たされた!(笑)
お二人とも優れた書き手、発信者として、改めて尊敬と感謝申し上げます。おふたりに幸あれ!