ほしいぬ

書いたり、詠んだり。

音を眺むる

f:id:majyonan:20150916161925j:plain


降り出した 雨が手すりにはね返る

音を眺むる 紅茶の時間


恋しさを ころがしながら たたむ布

指先きゅっと 力込めつつ


秋雨に 香りいっそう はなやいで

薔薇も芙蓉も つと顔をあげ


ねえねえと 金木犀が 囁けり

振り返ればまだ 蕾なれども 


秘密です 話せば決して逢えません

秋の真ん中 そこで待ちます


きのこ傘 扉あければ 児童書が

並ぶ驚き 京のはからい


*最後の歌は、京都府立植物園のきのこの形のミニ図書館を指しています。教えてくださったchocoさん(id:chocoholi)に感謝です。