言葉には しない約束 月として
9月の扉 静かに閉める
日輪の ごと輝ける 月光を
いっぱいに浴び 泣きぬれてをり
まだ香る 金木犀に 立ち別れ
君が待つなら 何處(いづく)へも行く
*本歌
立ち別れ いなばの山の峯に生ふる
まつとしきかば 今 帰り来む
百人一首 16番
中納言行平
わが身には わが思い宿り 進みゆく
諍うときも 相和すときも
身と心 どちらも眼(まなこ)逸らさずに
磨いてゆかん 時終わるまで
月神を 仰ぎ 痛みをおもいだし
元の場所へと 大事にしまう
今生きる 覚悟決めた日 メモ記す
また会う月に 約束をして