ほしいぬ

書いたり、詠んだり。

この世の隠れ家とすみっこで。妖怪、魔法使い

水木しげる先生の訃報を知りました。

合掌。

怖いんだけど、惹かれる。気持ち悪くてギョッとするけど、にくめない。

人の弱さ、ずるさ、強さ、ただしさ。この世界の、生きていることの不思議さ。きびしさ、ひろさ。

子供の時は、いえ大人になっても、居場所がないと感じることがある。どこか誰も知らない隠れ家にみをひそめたい。透明マントを身につけたい。ほんのひとときでもいいから。

妖怪や魔法使いのいる世界は、そんな人たちにやさしいように思う。そっと隙間の空間に、居心地のよいすみっこに、いれてくれる。いさせてくれる。

そこでふうっと息をついて、また外の世界へ出て行く。

また、さみしいとき、無力だと感じる時、妖怪や魔法使いのことを思うと勇気や力が湧くことがある。彼らの途方もなさ、自由さ、パワー。はみ出す勇気。境界や限界を超える力。堂々とした個性。異端の美。

水木先生、これからも作品を読み継いで行きます。どうぞ安らかに、天国で人や妖怪たちと楽しくおられますように。