ほしいぬ

書いたり、詠んだり。

大きな生き物を駈るように

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今年は桜を満喫しました。といっても家の近所と電車で1時間ほどの公園なのですが。

 

わたしはいま、数十年ぶりに車を運転しています。若い頃に免許をとったものの数回乗っただけで乗らなくなりました。

事故を起こしたわけではありません。

 

免許を取得するのに人の倍くらいの時間がかかり、自分は運転が下手だ。向いていない。人身事故を起こしたら取り返しがつかない。と怯え尻込みしていました。

情けない、申し訳ないと思いながらも、家族や友人が運転してくれるのに甘え、もっぱら乗せてもらうばかりでした。

 

しかし家族も年をとり、わたしも年をとり、運転しなければいろんなことが立ち行かなくなる気配がしてきました。家族からの要請を受け、一念発起して昨年冬にペーパードライバー講習に通いました。

車の基本操作をすっかり忘れているし、車幅の感覚がなかなかつかめず、スピードも恐ろしく、時間をかけて教習所内と路上の講習を受けました。

 クリスマスに入る前に講習を終え、1月2月は絶対に事故を起こしてはいけない事情があったため(事故はいつでも起こしてはならないものですがちょっと自分の車庫にこすったとかいう自損事故すらダメ)大事をとって運転せず、3月に入ってから家族に隣に乗ってもらい本格的に練習し始めました。

 

バックや駐車が下手なのでまだまだなのですが、やっと1人で運転できるようになり、家族の送迎ができるようになりました。とてもうれしいです。

乗る前にはいつも「事故を起こさないよう落ち着いて注意深く機敏に安全運転する。」と祈り、自分に誓います。

そして、車にも、「よろしくね」と心の中で呼びかけます。

 

車は機械であり意思はないけれど、わたしにとっては大きな生き物のように感じられることがあります。ブレーキ、アクセル、ハンドルさばきをスムーズにうまく運転できたとき、わたしがうれしいのはもちろん、車も少しよろこんでいるように感じます。

 

いつか遠くまで、知らない土地へ、車で出かけてみたい。知っている道を少しずつ増やしていきたい。

ねぇ、いつか一緒に行こうね。

大きな生き物を駈るような気持ちでわたしは今日も運転しています。