ほしいぬ

書いたり、詠んだり。

順番に

順番に春はカーテン開けてゆくさよならを言う準備をせよと

 

眼裏(まなうら)に君の体温陽のひかりいつしか白く忘るるとても

 

先端は透明なまま青空を切り取る花の香のみ憶えて

 

未だ咲かぬ蕾の黄金(こがね)つやつやと弾む命をぐっと湛(たた)える

 

花の枝束ねるひとの手は赤く乾きて固し農の険しき

 

わたしは蠟梅が好きです。

先日神奈川県足柄上郡松田町の「寄(やどりき)ロウバイ祭り」に行く機会があり、山に植えられた沢山の蠟梅を堪能させてもらいました。

蠟梅という花は蕾はくっきりとした黄色なのですが咲くと色が淡くなります。花弁の先端は半透明で蝋細工のようです。鈴蘭のように俯き加減に咲く姿が可憐です。

雪中四友といい、雪の中でも咲いて春の先駆けとなる花の一つだそうです。(ちなみにほかの三つは白梅、さざんか、水仙)

英名はwinter sweet。

香りがなんとも言えずあまくさわやかな芳香なのです。

山に立ち込める良い香りの空気を何度も吸い込みました。

 

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淡い黄色は遠目に見ると地面と同化してしまいます。茫とかすんで春の山らしい柔らかな美しさ。


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手前は足柄茶の茶畑。

足柄茶はすっきりとした苦味が爽やかなお茶です。おいしい。


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夢中で沢山撮りました。

 

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切り花を300円で売っていて、帰り道も家でも花を楽しむことができました。

枝を束ねてくれた人の手は固くがさがさで厚みがあり、長年農に携わる人特有の手でした。

働き者の手。

祖父も同じ手をしていたことを思い出しました。

 

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ロウバイまつりポスター。

 

家族が病を得て何かと気の塞ぐことがあり、またうまくいかないことなどもあったのですが、好きな花を見るために小さな旅をさせてもらって、気持ちがすうっとしました。感謝です。

家族も元気になって、家族が行きたいところへ自分で自由に行けるようになりますように。

 

あまねくすべての人が、そうなりますように。