ほしいぬ

書いたり、詠んだり。

「深き魂の黎明」をあるく

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↑写真は夜の薔薇園。本文と関係ありません。

 

今週のお題「SFといえば」

わたしにとってなつかしく親しい分野であるSF。心を遠くまで、深く深く、放り投げ、未知の世界へ連れて行ってくれる。

わたしは子供の頃から好んで読んだり視聴したりしてきた。

 

子供の頃に夢中で読んだ星新一の作品がドラマ化されたことをうれしく思っている。 星新一のほかにも、好きな作品や作家を挙げるときりがない。 好きな作家を一人だけ挙げるならば、アーシュラ・K・ルグィンである。 彼女の作品「闇の左手」「所有せざる人々」「ゲド戦記」を繰り返し読んだ。また読みたいな。 優れた作品は時を超えて魂を揺さぶってくれる。

 

さて、最近触れてひどく揺さぶられ続けている作品もまた、SFの分野に入ると思う。その作品の名を「メイドインアビス」という。

この小文のタイトルは、アニメーション映画「メイドインアビス 深き魂の黎明」からつけた。 わたしはいまもぐるぐると作品の周りを歩き回っている。 原作は漫画で、作者はつくしあきひと氏。 テレビアニメと映画が制作され、原作もアニメも継続中。原作もアニメも両方素晴らしい。 テレビアニメ一期→映画「深き魂の黎明」→テレビアニメニ期の順で観るのが順当です。テレビアニメ一期の総集編も映画になっているようです。

 

作品内容はぜひ直接触れて知ってほしい。とはいえ、残酷な内容を含むので慎重にお願いします。少し調べてみて、苦手だな、だめだな、と思った人は引き返してほしい。嫌悪感やトラウマを刺激されるところは大いにあると思う。わたしもある。それでも、魅力の強さと考えさせらることの重要さの方が大きいとわたしは感じるので、作品完結まで共にさまよい歩きたいと思う。 臆病なわたしはあらかじめ概要を調べてから作品に触れた。 現実世界があまりにも厳しい現在、作品から与えられる衝撃に耐えられるか不安だったからだ。 前知識をもってしても衝撃は強く、今もぐらぐらと揺れているが、素晴らしい作品である。今この時に出会えてよかった。

 

SFの素晴らしさは、一見現実からかけ離れているようで、深く強く結びついていることだ。 今SFという分野が賑わいを見せていることには、意味がある。 先に挙げた映画のエンディングテーマが英語の歌詞で、昨夜わたしはその訳を試みた。素人が手探りで行った、作品の内容を踏まえた意訳であり、誤訳だらけではと思う。それでも訳したくてたまらなくなり、やってみた。許してほしい。 とても美しい歌です。

 

エンドロールに流れる曲なので、映画と共に楽しむのが良いと思うし、映画を観ようと思う方は、歌詞にネタバレを含むのでどうか読まないでください。 映画、テレビアニメともに、アマゾンプライム等で公開されています。また、テレビではアニメ第2期が始まり放映中です。 わたしは原作を購入し、映像作品と共にたのしんでいます。 歌のタイトルは 「Forever Lost」 作者は  MYTH&ROID 歌手は LadyIgiko です。 以下、私訳です。

 

「永遠/失われたもの」

かけがえのないものを失うたびに

この喪失に終わりはないんじゃないかと思う

わたしたちが夢のために払う代償は

決して贖われることはない

 

喪失を担い歩み続けることの苦しみが

どんなに耐え難くともわたしは引き返さない

 

白い光の中で わたしたちは失ったもののために祈りを捧げる

わたしたちの悲しみ 痛みに祈りを捧げる

白い光に向かって わたしたちは失ったもののために祈りを捧げる

安らぎを探そうと手を合わせる

 

白い光の中 わたしたちはこの道を降りてゆく わたしたちの希望 わたしたちの運命を求めて

白い光に向かって わたしたちはこの道を降りてゆく

わたしの旅は あなたと一緒じゃないとだめなの

 

白い光の中で わたしたちは失ったもののために祈りを捧げる

白い光に向かって わたしたちは失ったもののために祈りを捧げる

 

あなたが抱いている願いとあなたの夢は すべて残らずわたしが担っていくよ

どうか全ての願いと夢をわたしに託してほしい あなたができなかったことの全てを わたしはあなたのために実現するよ

 

白い光の中 わたしたちはこの道を降りてゆく

わたしたちの希望 わたしたちの運命を求めて

白い光に向かって わたしたちはこの道を降りてゆく

わたしの旅は あなたと一緒じゃないとだめなの

 

わたしたちはあの日々を忘れない

わたしたちの過去は永遠に生きて

わたしたちの努力と共に未来へと続いている

 

決して消えない悲しみは

わたしたちの内側にある深い奈落で

やがてわたしたちの一部となる

 

*タイトルは無学なわたしには非常に訳し難く、正直わかりません。 be lost forever であれば、「永遠に失われる」「終焉」等と訳すのですが、あえて逆にしていることと、作品の内容から踏まえて、foreverと lostは並列に並ぶ概念であると考えて訳しました。 なお、元の英語の歌詞は著作権に触れるのではと懸念するのであえて引用していません。調べていただければ幸いです。

お付き合いいただきありがとうございました。暑いので皆様どうぞお大事に。