ほしいぬ

書いたり、詠んだり。

記憶は開く

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先日観た映画(「君の名は」)の何に心揺さぶられたのかなと考えると、その要素の1つに「記憶」があります。

映画の内容に触れるのはまた別の機会にさせていただくとして、記憶について、ふらふらと書いてみたいと思います。

 

先日、衣類の入れ替えと整理をしていたら、懐かしい服が出てきました。何年も袖を通していないのに、その服を見た瞬間、当時の記憶が昨日のことのように立ち現れ、しばし呆然としました。

その服にはある思い出がありました。それが故に、しまいこんで着ることがなかったのです。記憶に蓋をしていたのでしょう。その蓋が、その服を見た途端、開いたのでした。

 

服だけではなく、音楽、本、映画、香り、食べ物、全ての物事に記憶は繋がっています。そして、時間を超えて、その当時の自分への扉を開く。そんな気がします。

「何を見ても何かを思い出す」というタイトルの小説を書いたのはヘミングウェイですが、言い得て妙だと思いました。

忘れていることは沢山あるし、日々記憶は薄らぎ変容したり消えて行ったりもするのでしょう。しかし、思い出すことができるうちは、それはわたしのかけがえのない一部であり、わたしそのものである。そんな気がします。

 

物事に結び付けなくても、わたしは、この瞬間、この一日を覚えておこう、と意識的に心のシャッターを切ることがあります。

そうすると、運が良ければ、なんでもない日のことを、記憶することができます。

10代の頃学校で友達と交わした会話の断片、20歳そこそこの頃友人と過ごした夕暮れ時のことを、わたしは記憶しています。たまに開いては、当時の時間を、空気を、なつかしみます。今はもう会うことが難しい人たちと過ごした時間を、とても大切なものと感じています。その記憶はわたしをじんわりとあたためてくれます。

 

昨日と一昨日も、そんななんでもない日でしたが、わたしにとっては覚えておきたい日でした。2日とも、予期せぬ予定が入って行動したのです。

2016年11月5日、近所の方に誘われて家族と海辺で過ごしました。天気の良い日で、海風が心地よく、おむすびやお汁がおいしかったです。

同11月6日、夕方急に出かけて家族の服を買いました。もうクリスマスディスプレイが施された煌びやかなデパートの中で、試着室に付き合い汗をかきながら無事に服と靴を買うことができて、ほっとしました。地下で食べたアイスクリームの冷たい甘さ。駆け足で帰った駅の混雑に緊張したこと。

家族はこの日のことを忘れてしまうかもしれません。もっと覚えておくべき大切なことはたくさんあるから。

でもわたしは覚えていたいので、心のシャッターボタンを押しました。

 

ところで今日は風邪を引いてしまいひさしぶりに寝込んでいます。家族に迷惑をかけてしまった。

また明日から元気にがんばりたいです。

 

 

映画の日、君の名は

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今日は映画の日です。久しぶりに観てきました。

「君の名は」です。

観る前から、どきどきしていました。それは、期待半分不安半分のためです。作品の良し悪しではなく、わたしが映画の世界を楽しめるかどうか心配でした。


なぜなら、新海誠監督作品は、「秒速5センチメートル」を観て、うーん…だったからです。

綺麗なんだけど、とても、男の人の映画だと思った。うまくいえないけど、その時はちょっと気持ち悪かったのです。丁寧に作り上げられたその世界観が。監督と、お好きな方はごめんなさい。


しかし、杞憂でした。「君の名は」はとてもよかったです。まだ映画の世界をフワフワ漂い、いささか興奮しているので、レビューが書けません。落ち着いたらこっそり書くかもです。今はただ余韻を味わいたい。


まだ観ておられない方は、どうぞ映画館に、行ってください。青春とか運命とか純愛とかなんとなく気恥ずかしいかもしれないけれど、それを乗り越えて観る価値があります。


たぶん今年一番の、映画だと思います。観に行ってよかったです。

なんて、他の作品全然観てないのに!無責任に言い切って、言いっぱなしで失礼します。映画の心地よい酔いが、まだ醒めませんので。



第12回10月短歌の目参加します

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卯野抹茶さん、今月もありがとうございます。

10月短歌の目、参加いたします。


http://tankanome.hateblo.jp/entry/2016/10/10/000000


10月

今月のお題

題詠 5首

1. 渋

渋れどもぼくと出かけるきみが好き不意打ちのキス平手覚悟で

2. 容

変容を受け付けました今朝からは惜しまず生きる零(こぼ)れてもいい

3. テスト

飛行するテストの日まで自転車を漕いで水面をすれすれにゆく

4. 新米

新米は「青天の霹靂」と云ふ爽やかに甘く満たせり東北拝む

5. 野分

幾たびも襲う野分の爪痕がこの国のひとのこころをつなぐ

テーマ詠

 テーマ「空」

空うつすためにスマホを翳す青この眼に映る秋伝えたい

そうじゃないきみのメールはずれているそれでもいいの夕空送る

拾ったよどんぐり枯葉虫の羽子の手のひらに空は広がる

空ろでも愛していると言えたならグラスの向こう届かない声

ラジオ聴きまだ見ぬ君を想うとき胸に広がるやはらかな空


*お詫び

文字の数え間違いをし、改稿しました。推敲不足です。すみません。ああもう!

改稿前「空ろでも愛していますガラスの向こう届かない声」




あふれる

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まりおさんの音楽ブログの方で紹介されていた、話題の一枚。

この記事に背中を押してもらって、やっと購入しました。

まりおさんありがとうございます。

 

http://onmusicloud.hatenablog.com/entry/2016/10/16/000733

 

わたしは、宇多田ヒカルは好きなんだけどほんもののファンというわけではなくて、好きな曲だけを偏執的に繰り返し聴いている半端リスナーなので、そして何よりへそまがりなので、皆が絶賛したり聴くものはほとぼりが冷めた頃にこっそり聴くというしょーもない姿勢をとっていますが、ほんとはききたくてたまらず、買いました。

 

買ってよかった。

音楽が、想いがとまらない。あふれてくる。響く響く。響いて、またあふれだす。

心にそっと寄り添いながら、素手で心臓を掴み出すようなアルバムです。

素晴らしいです。

 

宇多田ヒカルは、デビューした時の瑞々しさ、切ない詩情、溢れる音楽の泉を抱いたまま、こんなにもきちんと歳をとり、いっそう大きく深くなって、大人の歌を届けてくれた。このアルバムは、沢山の人にひとりずつ寄り添い、励ましてくれることでしょう。

 

一緒に歌っているミュージシャンも素晴らしいです。同時代を音楽という絆でつながっているひとたち。

それぞれのミュージシャンの音楽を聞いてみたくなります。

 

ああ、音楽っていいな。歌っていいな。日本語っていいな、人生は悪くないな。生きていこう。と思わせてくれるアルバムです。

音楽の贈り物を、ありがとう。

 

*拙いレビューをかきました。よかったらこちらもどうぞ。

 

http://majyonan.hatenadiary.com/entry/2016/10/25/190304

 

http://majyonan.hatenadiary.com/entry/2016/10/26/002020

レッピンブルー

タイトルは適当な造語です。red pink blue。

今日買ったビールのラベルがたまたまそんな色味だったので。

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向かって右から

1.ベルギー ミスティックチェリー、

2.同 ヒューガルデンホワイトロゼ、

3.日本 サントリー クラフトセレクト 香り彩るビール ペールエール。

です。

2と3をいただきました。

2.はほうれん草とベーコンのキッシュと共に。ラズベリーとリンゴの入った美味しい飲みやすい軽いビールでした。色も綺麗。

うーん、また飲みたい。^^

酔いたくないので、アルコール度数3パーセントで250mlなのも魅力です。


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3.は赤味を帯びた琥珀色。爽やかで程よくコクがあり、こちらもおいしかったです。特徴はないけれど特売で198円なら文句なし!でした。度数は5パーセントなので酔いました。


赤とピンクとブルーは好きな色なので、眺めているだけでなんとなく幸せな3本でした。見た目って大切ですね。


少し酔っておりますのでこのへんで。





待宵の月、秋の襲色目

記事で今日(10/15)は満月か十六夜?と書きましたが、間違いでした。

十四夜月、で別名小望月、待宵の月と呼ばれるそうです。風流ですね。

大きな、満月と見まごうばかりの、美しい月がいまのぼりはじめました。


風流といえば、平安時代からの襲色目(かさねいろめ)を調べてみると、名前も色の組み合わせも優美でどきどきしました。


もーど・じゃぽねすく様のサイトで秋の襲色目を調べてみました。感謝です。

http://www.mode-japonesque.com/mj/kasane/itiran/fall/itiran.html

たくさんある中から、少しご紹介します。

「萩」

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「萩重」はぎがさね

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「花薄」はなすすき

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「小栗色」こぐりいろ

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「鴨跖草、月草」つきくさ

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襲色目の、色と色との組み合わせの妙を眺めていると、季節を感じるとともに、色たちがまるで人のように見えてきます。それぞれ個性が鮮やかで、なおかつお互いを引き立て合う素晴らしいコンビ。相棒。

そんな存在にわたしもなれたらなと憧れます。




白と白/のみものまわりその2・お酒編

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先日久しぶりにお花を買いました。わたしは生花の心得がないので、いつも義母にいけてもらいます。ありがたいです。

ハイクでぼやいたのですが、先週は自分的にはヘビーな仕事があり(仕事といってもボランティア的なこと)そのための準備や対応にこのところずっと追われていて、花どころではありませんでした。家族にもずいぶんしわ寄せがいったと思います。迷惑かけてごめん家族。

お花はいいなぁ。きれいだなぁ。

 

お陰様で無事すみ、あとは事後処理だけなのですが、どうにもこうにも疲れてやる気が起きません。もう休む!しばらく留守にする!と勝手にclosedの札を下げて日々のことだけしておりました。家族と自分のために溜まっていた家事やしたいことをのんびりと片付けています。

そろそろ腰を上げなくては。

 

さて、やっと本題に入ります。お酒の話。

その仕事が終わったらおいしいビールを飲もう、と決めていました。それで、おしきさんのブログで気になっていたグランドキリン十六夜の月、を買いました。これ。

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いやぁ、おいしかった!芳醇な香りとコク、そして何よりもバランスがとれています。色は琥珀色というのかな。すこし赤みを帯びた色でした。ゆっくり飲みました。瓶の形とラベルもえもいえずよいです。まさに今の季節にぴったりのビール。お月見しながら傾けたらいいでしょうね。折しも今日は満月。いや、まさに十六夜の月だったかな?もう一本買ってこなくては…笑

おしきさん素敵なビールの記事をありがとうございます!

 

それから別の日に、白ビールを二本買いました。これです。一本ずつ、2日に分けて飲みました。わたしは白ビールが好きなので期待度大!でした。

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写真むかって右の白濁、からのみました。これ、缶が逆立ちしているのです。濁りベルギービールなのでその方が美味しく飲んでもらえるから、とのことです。

おいしかったです!!!ふわぁと白ビールの香りがしてバランスよくクセがなく飲みやすい。白ビールの良いところが全部入ってる印象でした。これはリピです。お値段も手頃です。しかし、クセの強いものがお好みの方には物足りないかもしれません。

 

お次は、ヴェデットのホワイト。これ、飲んでみたかったビールです。白熊さんのマスコットにもググッと魅かれました。クマかわいいです。くま、いいです。本物の熊は怖いですが。野生の生き物と人間が棲み分けてお互い安心して暮らせたらいいのに。人間が陣地を広げすぎなのですが、それも生きるため。

話が逸れました。

ヴェデットの白は、ヒューガルデンホワイトをほんの少しスッキリと辛口に軽めにしたような印象でした。うーん、悪くないけど、だったらわたしはヒューガルデンを飲むかなぁ。わたしが白ビールに求めるものはフルーティな独特の香りとほんのりした甘さ、泡立ちのきめ細かな滑らかさとバランスの良さです。バランスはいいです。単にわたしの好みの問題と思います。

憧れビールだったので飲めてよかったです。

 

飲みたくてまだ飲めていないビールに、プレミアムモルツの黒があります。まりおさんの記事の、赤ワインのような美味しさ、にとても魅かれています。しかし、残念ながら入手できず、代わりにキリンスタウトの黒をかって眺めています。

わたしはクラフトビールを飲むなら、白ビール系、よなよなエール、などが好きなのですが、「まんなか」ブログで書いた、鎌倉オクトーバーフェストで飲んだ厚木ビールのラズベリーもおいしかったので、フルーツビールもぼちぼち飲んでみたいです。

 

お酒全般について。

わたしは若い頃は好きでよく飲んでいました。大体なんでも飲みましたが、ビール、カクテル、ラムやウオッカテキーラが好きでした。日本酒とワインはおいしいけれど悪酔いしてしまうので自重していました。ウィスキーと焼酎は仕事飲みの印象が強くあんまり好きでなくなりました。

今はほとんど飲みません。年に数回、量もグラスに一、二杯程度です。

こんなに連続してビールを飲んだのはひさしぶりです。おいしかったです。

 

お酒がおいしいのは、そのもの自体がおいしいということもありますが、わたしにとってはシチュエーションが大きいです。どんな時に、誰と、どこで飲むか。また自分の体調や気分にも大きく左右されます。

 

今年飲んでおいしかったお酒は、旧友と再会してお寿司屋さんで飲んだ生中ジョッキと緑茶ハイ。初めて飲みましたが、いやぁ、緑茶ハイっておいしいですね!

その子(といってもいい年ですが)とは若い頃から新宿あたりで飲んでいたので、いろいろ懐かしく実に楽しい時間でした。会えない時間にお互いずいぶんいろんなことがあり、また会えたこと、元気に乾杯できたことのありがたさを噛み締めました。また会いたいし、飲みたいです。

 

とはいえ、お酒のアルコール成分はもともと強い刺激物ですし、飲める人は飲めば飲むほど耐性がつきます。依存症も怖いです。わたしはかつてお酒が好きで様々な失敗をしました。体のためにもやめてよかったと思います。ずいぶん楽になり、飲んでいた頃より時間を有効に使えるようになりました。

お酒を飲んだ時の内臓の様子(確か胃だったと思う)を画像で見たことがあります。かなり衝撃でした。アルコールは体に負担をかける、ということを忘れないでください。精神的にも依存します。

お酒が好きな方は、どうぞほどほどに。

 

説教めいたことをかいてすみません。

おいしくお酒が飲めた日は、いい日。

健康を保ち、好きな人たちと、少しお酒を嗜んで楽しい時間を過ごせることはわたしにとって幸福の一つです。

むかし、「少し愛して、長く愛して。」というテレビCMのキャッチコピーがありました。ウィスキーの宣伝です。

そんな気持ちで、お酒と付き合えたらいいなぁと思います。