ほしいぬ

書いたり、詠んだり。

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

風吹けど地面に確と根を張りて葉に陽を浴びつ咲き誇りたり 移ろひて衰へるとも美しと命ここにぞ咲きて知らせる 吹き散らし跡形もなく壊せども拾い集めて記憶に刻む 向かい風吹けぼうぼうと喉開けてヨタカのごとく飲み込んでやる 夏至過ぎて風は叢雲両の手で…

無題

揺れるとも揺るがぬように助け合い人は絆を何度も結ぶ 亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。余震が収まり、ライフラインが復旧し、日常に戻れますように。 関西の実家と友人達の安否を確認しました。…

翡翠ホーム

案外にタネは鋭い翡翠の実やさしいだけのひとなどいない ホームとは性を含める共同体スウィートホーム覚悟はあるか 教えてはくれぬひとなら盗めよと技も心もルパン微笑む 対位法メロディふたつ重なりて異なりこそが色彩を生む すみれの眼見開き知恵と勇気も…

零れ落つ(映画感想短歌)

零れ落つ紅にじむ唇(くち)の端に彼の人の名は決して上らず ひしと抱く夢のあわいに魘(うな)されて舞台の光目も眩む闇 少年の日々の痛みは刃より深くふたりを刻み結べり ふりむきてまたふりむきてひとことも発せず去りぬ妻のまなざし 幾たびも歴史をくぐり相…

てっぺんに

地面から見上げる高いてっぺんに勇無き我はレンズを向ける その時は決して見えない星がある軌道を降りてやっと見つける よく生きていてくれたねと讃えたいぽつぽつ話す友の人生 *ジェットコースターに乗る家族を撮るために、ひたすらカメラを向けていました…