ほしいぬ

書いたり、詠んだり。

2019-01-01から1年間の記事一覧

12月の歌

重なった幸と不幸の花びらにやさしさの露白く光りて 来年の手帳選ぶ手ふと止まる予定予測をせずに生きたい ル・ポールの番組競う美女たちの輝くドレス涙の糸よ なによりも君の幸をぞ望みつつ降り積もる雪かき分けて生く 願いごとひとつツリーの星に告ぐ君の…

すこし明るい

うつうつとわくわくめぐる胸の中半月なれどすこし明るい たたきつけぎゅうぎゅうこねて休ませてふくらむパンをわたしも作ろ たくさんの本売りお盆ひとつ買う皿の重さがふと軽くなる 丁寧に塗られたお盆いちまいの朱色の木の葉生かされている 前回の記事では…

兎と林檎

塩水の中でも跳ねようさぎの仔泥濘(ぬかるみ)の道陽のふりそそぐ 昨夜はだいぶ雨が降りました。 被災地に降らないといい、と雨音を聞きながら願いました。復興を心よりお祈りしています。 家族の具合が悪く右往左往する毎日です。 おかげさまで少しずつ良く…

伝へんとする

↑写真はフリー素材です 咲くまえに香がくっきりと金色を鳴り響かせて伝へんとする 健やかな眠りと目覚めもういちど君に戻れよ笑顔とともに 泣きわめく夢と小鳥のしぬ夢と続けて見たの朝がまた来る 台風の前に起こりし悲しみに金木犀のそっと寄り添ふ りんご…

あかりびと

塞ぎつつ日々の荷物を背負うときあかりびと来てふと軽くなる 昨日はいろいろなことがありわたしは疲れ切ってスーパーで買い物をしていました。たぶん魂が抜けたような顔をしていたと思います。 そのとき、長い間会ってない知人が思いがけず声をかけてくれま…

ひとすじの

ひとすじの雲と光を捕まえた俯き顔をつと上げた時 幼な子と過ごす時間のやはらかさ忘れずに居る背を越されても 気を抜くと丸くなりたる背筋をシャツと一緒にアイロンかける 学生に一本きらり若白髪長き人生幸あれと笑む 海の上架けられた橋ハイウェイの車窓…

魔法のごとく

黒土の下より出でて鮮やかに白水桃紫魔法のごとく 戦争は嫌と何度も繰り返し祖父母も父も伝へて逝きぬ なぜもっと早く戦を止められぬ幾多の命吹き消し昭和 わが裡に争う心にくしみがあると弁え自分を見張る 平和の世継いで繋いで残すのが何にもまさる責務と…

みどり染む

にわか雨傘をさしたりたたんだり君は構わずカメラを覗く こんなにも息づいてをり苔たちはみどり染む染む湿度の国で 生みにくく死ににくい地で生きていく慈しみもて人にも吾にも

おすすめあれこれ

ゴールデンウィークに行ったところや、やってみたことで、楽しかったことを書きます。 1.サーカスへ行く ポップサーカスというサーカスへ行ってみました。 とても楽しくてものすごく元気が出ました。 最近ぱっとしないなぁと思ってる方には特におすすめです…

五月五首

茫洋と五月の風の吹き渡るあなたのいない青花の野に 赤黒き昭和黄色の平成も終わり令和は無色透明 これからは笑いころげて生きてゆく残りの日々に灯をともすため 苗植えて重き如雨露の水溢れまわりの土も鮮やかになる 東京へ電車に揺られともだちと話し話し…

誕生日でした

今年は寒くてずいぶん桜が長持ちしたけれども、さすがにもうあまり見かけない。北のほうへ行けばまだこれから楽しめるのだろう。いつか行ってみたい。 わたしの誕生日の頃に咲いている花は、八重桜。フリージア。ラナンキュラス。どれも好きなお花なのでうれ…

大きな生き物を駈るように

今年は桜を満喫しました。といっても家の近所と電車で1時間ほどの公園なのですが。 わたしはいま、数十年ぶりに車を運転しています。若い頃に免許をとったものの数回乗っただけで乗らなくなりました。 事故を起こしたわけではありません。 免許を取得するの…

はんぱはんそで

何もかも半端なままで生きているそれでもちゃんと春はまた来る 半袖にはじめて通す3月の肩のあたりを抱いててほしい 出会いより別れの方が大事だと友の言葉を書き留め眺む むずかしいこの世のすべて解決はできずとも今日こそ試せ春が背を押す さようならは…

削除終了

海鳥は言葉も持たずすいすいと海に浮かびて自在に潜り 10年をダイアリーにて留めたが数分ほどで削除終了 はてなダイアリーのサポート、運営の皆様ありがとうございました。

うめももさくら

伸びた枝まるく摘まれてこんもりと庭の梅花の白おとなしく くもり空二月喜び悲しみにそっと寄り添う桃のももいろ 早咲きの桜見上げて亡き父にありがと云へばほの明き夕 はやいもので二月も最後の日となりました。 春はうれしくもありさみしくもあります。 皆…

冬の薄日の

薔薇のごと淡きピンクを抱き居り冬の薄日の地面のうえに 君の掌(て)は花がぎっしり埋まってるぽんぽんと咲く音がきこえる

花ひらく

見上げれば丸天井に花ひらく俯きがちな君の手をとり 自信とはしらずしらずについている君の予想をはるかに超えて 君を踏みつけたやつらを許さない怒りの熾火炙られるまま 立春やキバナスイセンロウバイも君の未来に明かりを灯す 生まれた日小さな梅が咲いて…

2019元旦

向かい風走れゆんゆん手のひらに糸は伝える凧の高さを あけましておめでとうございます。 佳き年となりますようお祈り申し上げます。