ほしいぬ

書いたり、詠んだり。

2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

言葉には しない約束 月として9月の扉 静かに閉める日輪の ごと輝ける 月光をいっぱいに浴び 泣きぬれてをりまだ香る 金木犀に 立ち別れ君が待つなら 何處(いづく)へも行く*本歌 立ち別れ いなばの山の峯に生ふるまつとしきかば 今 帰り来む 百人一首 16番…

等号光る

内側と外側隔てる皮膚なれば秋分の日ぞ 等号光る磨り硝子 手をあてがえば 透過するわが水滴を 静かに拭う内側は 等しく水色うずらの子外は2つと同じくはなきうちそとが ひとつになりて またわかれ ひきつけあいて またむすばるる

ゆくりなく

ゆくりなく 王にまみえし 午後三時金の眼の 囚われし雄(ゆう)

10冊の本で

本棚の10冊の本で自分を表現するみかみかさんのブログが面白かったので、わたしもしてみようと思います。(id:mika3kan)全集も入れるので冊数でいうと10冊じゃないけど、まぁいっか。↓みかみかさんのブログより引用転載(みかみかさんすみません。ツイッターの…

音を眺むる

降り出した 雨が手すりにはね返る音を眺むる 紅茶の時間恋しさを ころがしながら たたむ布指先きゅっと 力込めつつ秋雨に 香りいっそう はなやいで薔薇も芙蓉も つと顔をあげねえねえと 金木犀が 囁けり振り返ればまだ 蕾なれども 秘密です 話せば決して逢え…

ノンホール

ノンホール 買った日失くし 片耳に秋風涼し 君に逢いたいちかちかと 瞬く心 曇り空君責める理由(わけ) やっと手離すその先を みたくてマスト 攀じ登る島影はない 時の航海(タイムトラベル)波が引き 残されたもの 本物か砕けた心 円く磨がれて一つずつ わかる…

カピバラ級

安んずる 娘の寝息 カピバラ級早朝の揺れ ひしといだけばわすられぬ 悲しい日付 増えるとも新しい靴に なまえをかこう

三十一文字のひろさ

昨日はいちにち青い柿の実のことを考えていた。今朝目にして、蹴っ飛ばして、なんとか歌にしたいとおもった。といっても机の前で呻吟していたわけではなく、洗濯したり送迎したり、ハッチポッチステーションみたりしながら、心の軒先にいつも青柿がぶらさが…

言葉のクローゼット

ファッション雑誌で、「おしゃれ達人のクローゼット拝見!」とか、「街角のおしゃれな人スナップ」なんていう記事があって、私は結構好きなんだけど、金井告さんの「短歌倶楽部」に参加させて頂き、卯野さんの「短歌の目」で他の方の短歌を読ませて頂いて、…

まろまりて

大雨に 落ちた青柿 かたくなな心と共に ころころと蹴るまろまりて また夢をみる 何度でも朝になっても 消えない夢を

翳りゆく夏

熱の子と 昼のニュースを眺めおり雨の気配と 翳りゆく夏シマヘビと 出会う日 我も隠れたし叢もなき 世の輪を回すことことと 胸に急かされ 香り買う風立ちぬ日の 予定なけれどつま先の 紅をゆっくり 拭き取りて何事も無く 秋を迎える空港に 行きてそのまま 出…

短歌の目第7回9月題詠に参加します

http://tankanome.hateblo.jp/entry/2015/09/01/000000 < p>卯野抹茶さん(id:macchauno)主宰の「短歌の目」9月題詠に参加させていただきます。今月もありがとうございます。3回目の参加です。 1.一錠さもなくば 一錠溶かし くちうつし君を眠らせ 荊棘で覆う …