ほしいぬ

書いたり、詠んだり。

2021-01-01から1年間の記事一覧

まぼろしの

幽霊の隣についと腰かけてまぼろしの川つまさきひたす 紙の本ページ繰る手に歳月のくちづけ君はどこにもいない やさしさは埃のように降り積もる年に一度のお掃除しましょ 青すぎる空に一つの飛行機が音も立てずに斜め横切る 立ち止まるスマホ迷惑かけぬよう…

漫画に救われた日々

はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選」 大人になってから、こんなにたくさんの漫画を読んだことはない。という一年でした。まだ終わってないけど。移動中や病院の待ち時間ではスマホ、家では本で。紙が好きなのでスペースの許す限り本で買い、本棚が溢…

零れゆく

零れゆく時間が結ぶ縁もあり11月の光の透過 待ちながら待たずにいよう焦らずに病と共に生きる家族と 散歩してひとりの時間空間にマスクなき世を祈り夢みつ 投票に向かうくらいは平常を取り戻したり闇の中より おまつりもけんかもうたもおしゃべりもかならず…

いろがわり

いろがわり紫陽花ならば綺麗だが政(まつりごと)では不要の悪ぞ 短冊を吊るさぬ事で地べた星みつめて歩くマスク蒸れつつ どうやって未来に残すこの地球なにを教える不義の世界で 踊らない自分の鼓動打たぬなら笛吹く鬼が脅し来るとも 向こう側生きているぞと…

いま生きている

つないでは渡す命を受け取りて君もわたしもいま生きている もぎとられ途中で宙に消えるとも生きた時間は確として在り ぼうけんの旅物語読むこころ時間を超えていまを忘れて あざやかな刺繍や色を身にまとい自由の旗を疫病に振る ひとりではないとそれだけ伝…

如月〜弥生

フェンス越し眼の端っこに花留まる屈めた腰をふと伸ばすとき ねえねえと振り向きざまに囚われた沈丁花の香絡みほどけず 夕暮れの遅くなるごと如月の鬼の隠れる闇ぞ小さく マスク越しアクリル越しに伝へんと声のボリューム右へ左へ 死ぬ病抱える人ぞ生きにけ…

凧揚げて

凧揚げて青の青さに吸い込まる幸福の鳥見えた気がして わたくしの命に管を突き刺して死にたい君に流せるならば かよいあう心のやりとり文字の声Instagram笑みこぼれつつ 2021年 あけましておめでとうございます。 昨年もお世話になりありがとうございました…