ほしいぬ

書いたり、詠んだり。

短歌の目11月/熱にくるまる

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短歌の目11月に参加します。第2期3回目。うれしいです。

主催の卯野抹茶様、今月もありがとうございます。

読んで&詠んで下さる皆様ありがとうございます。

短歌とブログはわたしの大切なよろこびです。拙い歌ですがどうぞよろしくお願いいたします。


http://tankanome.hateblo.jp/entry/2016/11/10/000000 

 

題詠

1.本

本当も本音もなくてひたすらにただ生きている本も読まずに

 

2.手袋

左の手つつむ右の手最高の手袋君の熱にくるまる

 

3.みぞれ

傘ささず濡れかじかんでしんしんとみぞれの中で濯ぐたましい

 

4.狐

つままれてみる?とにんまり笑む狐怪しき店のあかりは紅く

 

5.メリークリスマス

君の手をとって頬までみちびけばメリークリスマス胸に響くよ

 

テーマ詠

テーマ「酒」 

 

さよならもはじめましても金色の泡に託してとりあえず生

 

再会を祝し話の花が咲く言わないことは聞かないでおく

 

緑茶ハイ発明したひと手をあげて感謝状をば捧げたいから

 

独特のユーモア店主毒舌を聞きに扉を押すまた来たよ

 

タクシーのラジオにしんと耳すます今年の音と声がきこえる

 

 

記憶は開く

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先日観た映画(「君の名は」)の何に心揺さぶられたのかなと考えると、その要素の1つに「記憶」があります。

映画の内容に触れるのはまた別の機会にさせていただくとして、記憶について、ふらふらと書いてみたいと思います。

 

先日、衣類の入れ替えと整理をしていたら、懐かしい服が出てきました。何年も袖を通していないのに、その服を見た瞬間、当時の記憶が昨日のことのように立ち現れ、しばし呆然としました。

その服にはある思い出がありました。それが故に、しまいこんで着ることがなかったのです。記憶に蓋をしていたのでしょう。その蓋が、その服を見た途端、開いたのでした。

 

服だけではなく、音楽、本、映画、香り、食べ物、全ての物事に記憶は繋がっています。そして、時間を超えて、その当時の自分への扉を開く。そんな気がします。

「何を見ても何かを思い出す」というタイトルの小説を書いたのはヘミングウェイですが、言い得て妙だと思いました。

忘れていることは沢山あるし、日々記憶は薄らぎ変容したり消えて行ったりもするのでしょう。しかし、思い出すことができるうちは、それはわたしのかけがえのない一部であり、わたしそのものである。そんな気がします。

 

物事に結び付けなくても、わたしは、この瞬間、この一日を覚えておこう、と意識的に心のシャッターを切ることがあります。

そうすると、運が良ければ、なんでもない日のことを、記憶することができます。

10代の頃学校で友達と交わした会話の断片、20歳そこそこの頃友人と過ごした夕暮れ時のことを、わたしは記憶しています。たまに開いては、当時の時間を、空気を、なつかしみます。今はもう会うことが難しい人たちと過ごした時間を、とても大切なものと感じています。その記憶はわたしをじんわりとあたためてくれます。

 

昨日と一昨日も、そんななんでもない日でしたが、わたしにとっては覚えておきたい日でした。2日とも、予期せぬ予定が入って行動したのです。

2016年11月5日、近所の方に誘われて家族と海辺で過ごしました。天気の良い日で、海風が心地よく、おむすびやお汁がおいしかったです。

同11月6日、夕方急に出かけて家族の服を買いました。もうクリスマスディスプレイが施された煌びやかなデパートの中で、試着室に付き合い汗をかきながら無事に服と靴を買うことができて、ほっとしました。地下で食べたアイスクリームの冷たい甘さ。駆け足で帰った駅の混雑に緊張したこと。

家族はこの日のことを忘れてしまうかもしれません。もっと覚えておくべき大切なことはたくさんあるから。

でもわたしは覚えていたいので、心のシャッターボタンを押しました。

 

ところで今日は風邪を引いてしまいひさしぶりに寝込んでいます。家族に迷惑をかけてしまった。

また明日から元気にがんばりたいです。

 

 

映画の日、君の名は

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今日は映画の日です。久しぶりに観てきました。

「君の名は」です。

観る前から、どきどきしていました。それは、期待半分不安半分のためです。作品の良し悪しではなく、わたしが映画の世界を楽しめるかどうか心配でした。


なぜなら、新海誠監督作品は、「秒速5センチメートル」を観て、うーん…だったからです。

綺麗なんだけど、とても、男の人の映画だと思った。うまくいえないけど、その時はちょっと気持ち悪かったのです。丁寧に作り上げられたその世界観が。監督と、お好きな方はごめんなさい。


しかし、杞憂でした。「君の名は」はとてもよかったです。まだ映画の世界をフワフワ漂い、いささか興奮しているので、レビューが書けません。落ち着いたらこっそり書くかもです。今はただ余韻を味わいたい。


まだ観ておられない方は、どうぞ映画館に、行ってください。青春とか運命とか純愛とかなんとなく気恥ずかしいかもしれないけれど、それを乗り越えて観る価値があります。


たぶん今年一番の、映画だと思います。観に行ってよかったです。

なんて、他の作品全然観てないのに!無責任に言い切って、言いっぱなしで失礼します。映画の心地よい酔いが、まだ醒めませんので。



第12回10月短歌の目参加します

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卯野抹茶さん、今月もありがとうございます。

10月短歌の目、参加いたします。


http://tankanome.hateblo.jp/entry/2016/10/10/000000


10月

今月のお題

題詠 5首

1. 渋

渋れどもぼくと出かけるきみが好き不意打ちのキス平手覚悟で

2. 容

変容を受け付けました今朝からは惜しまず生きる零(こぼ)れてもいい

3. テスト

飛行するテストの日まで自転車を漕いで水面をすれすれにゆく

4. 新米

新米は「青天の霹靂」と云ふ爽やかに甘く満たせり東北拝む

5. 野分

幾たびも襲う野分の爪痕がこの国のひとのこころをつなぐ

テーマ詠

 テーマ「空」

空うつすためにスマホを翳す青この眼に映る秋伝えたい

そうじゃないきみのメールはずれているそれでもいいの夕空送る

拾ったよどんぐり枯葉虫の羽子の手のひらに空は広がる

空ろでも愛していると言えたならグラスの向こう届かない声

ラジオ聴きまだ見ぬ君を想うとき胸に広がるやはらかな空


*お詫び

文字の数え間違いをし、改稿しました。推敲不足です。すみません。ああもう!

改稿前「空ろでも愛していますガラスの向こう届かない声」




あふれる

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まりおさんの音楽ブログの方で紹介されていた、話題の一枚。

この記事に背中を押してもらって、やっと購入しました。

まりおさんありがとうございます。

 

http://onmusicloud.hatenablog.com/entry/2016/10/16/000733

 

わたしは、宇多田ヒカルは好きなんだけどほんもののファンというわけではなくて、好きな曲だけを偏執的に繰り返し聴いている半端リスナーなので、そして何よりへそまがりなので、皆が絶賛したり聴くものはほとぼりが冷めた頃にこっそり聴くというしょーもない姿勢をとっていますが、ほんとはききたくてたまらず、買いました。

 

買ってよかった。

音楽が、想いがとまらない。あふれてくる。響く響く。響いて、またあふれだす。

心にそっと寄り添いながら、素手で心臓を掴み出すようなアルバムです。

素晴らしいです。

 

宇多田ヒカルは、デビューした時の瑞々しさ、切ない詩情、溢れる音楽の泉を抱いたまま、こんなにもきちんと歳をとり、いっそう大きく深くなって、大人の歌を届けてくれた。このアルバムは、沢山の人にひとりずつ寄り添い、励ましてくれることでしょう。

 

一緒に歌っているミュージシャンも素晴らしいです。同時代を音楽という絆でつながっているひとたち。

それぞれのミュージシャンの音楽を聞いてみたくなります。

 

ああ、音楽っていいな。歌っていいな。日本語っていいな、人生は悪くないな。生きていこう。と思わせてくれるアルバムです。

音楽の贈り物を、ありがとう。

 

*拙いレビューをかきました。よかったらこちらもどうぞ。

 

http://majyonan.hatenadiary.com/entry/2016/10/25/190304

 

http://majyonan.hatenadiary.com/entry/2016/10/26/002020

レッピンブルー

タイトルは適当な造語です。red pink blue。

今日買ったビールのラベルがたまたまそんな色味だったので。

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向かって右から

1.ベルギー ミスティックチェリー、

2.同 ヒューガルデンホワイトロゼ、

3.日本 サントリー クラフトセレクト 香り彩るビール ペールエール。

です。

2と3をいただきました。

2.はほうれん草とベーコンのキッシュと共に。ラズベリーとリンゴの入った美味しい飲みやすい軽いビールでした。色も綺麗。

うーん、また飲みたい。^^

酔いたくないので、アルコール度数3パーセントで250mlなのも魅力です。


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3.は赤味を帯びた琥珀色。爽やかで程よくコクがあり、こちらもおいしかったです。特徴はないけれど特売で198円なら文句なし!でした。度数は5パーセントなので酔いました。


赤とピンクとブルーは好きな色なので、眺めているだけでなんとなく幸せな3本でした。見た目って大切ですね。


少し酔っておりますのでこのへんで。





待宵の月、秋の襲色目

記事で今日(10/15)は満月か十六夜?と書きましたが、間違いでした。

十四夜月、で別名小望月、待宵の月と呼ばれるそうです。風流ですね。

大きな、満月と見まごうばかりの、美しい月がいまのぼりはじめました。


風流といえば、平安時代からの襲色目(かさねいろめ)を調べてみると、名前も色の組み合わせも優美でどきどきしました。


もーど・じゃぽねすく様のサイトで秋の襲色目を調べてみました。感謝です。

http://www.mode-japonesque.com/mj/kasane/itiran/fall/itiran.html

たくさんある中から、少しご紹介します。

「萩」

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「萩重」はぎがさね

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「花薄」はなすすき

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「小栗色」こぐりいろ

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「鴨跖草、月草」つきくさ

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襲色目の、色と色との組み合わせの妙を眺めていると、季節を感じるとともに、色たちがまるで人のように見えてきます。それぞれ個性が鮮やかで、なおかつお互いを引き立て合う素晴らしいコンビ。相棒。

そんな存在にわたしもなれたらなと憧れます。