はやいものでとうの昔に2月は終わってしまいました。
ずっとやりたかった、短歌の目の振り返りをします。
http://tankanome.hateblo.jp/entry/2017/03/05/130000
どんなに忙しかろうが、一日一つは、こころのそこからやりたいことをやる!と決めました。
振り返りはすごくしたいけど時間がかかるのでさぼっていました。1月かな?ななさんがして下さったのに感銘を受けました。
文中皆様を勝手にブログ名の一部でお呼びしますがお許し下さい。
自作ふりかえりは別記事にて行います。
全ての短歌はこちらから読めます↓
短歌の目2月作品をご紹介します
http://tankanome.hateblo.jp/entry/2017/02/25/070000
つのへび日記さん
洗
重曹で洗えば落ちる染みもありこころはたぶん陶器ではない
2. 鬼
鬼は外出て行ったきりふるさとの人ただ老いてゆく節分会(せつぶんえ)
3. 入
入ったら戻れぬ仕掛けの前に立ちすでに仕掛けの動作すを知る
題詠「夢」
ないことになった一世(ひとよ)が一夜(いちや)ごとどこかに増えてゆく罪の朝
たましひがちょっと抜け出ては戻るやうにシ♭ドレソレドシ♭鍵が波打つ
◇全部すき。全部ご紹介したい。しかし初っ端からそれは安易であろうと遠慮しました。
つのへびさんの短歌は理知的です。奥行きが遠くまで広がっている。向こう側に幾層にも重なる世界がある。それでいてきちんと伝わるのは言葉の選び方が的確なのだと思います。
夢、の歌はシュールで不穏な感じで、いつものつのへびさんの歌とは違う手触りがしてうなりました。夢とはまさにそのようなものではないか、と思います。
ドビュッシーの種明かし、には驚きました。音符をそのまま詠む発想すてき。
近づいて、遠ざかるまであと少し。きさらぎのねつ、うちにとどめる
テーマ「夢」
もう少し長く居れたら、真実になると信じる。こちら側こそ
◇京都さん、の短歌は現代詩のようでひりひりとします。どきり、もします。
自分で納得しない言葉は絶対使わない、感じがします。
あとなんだろう?ブログ名の通り、手紙をもらったような気持ちになります。
以下私信です。
前髪は重要です。何かと。前髪の長さやアレンジの仕方で女性はどんな方かある程度見当をつけることがことができるかもしれません。たとえは悪いですが、犬同士がくんくん匂いをかぐように、前髪の長さやぱっつんか斜めかおでこ出しかスダレか、で年代やら嗜好やら何かを嗅ぎ分けるのです。しかし男性にはさっぱりわからない無言の応酬と思います。笑。言及していただいたのに今頃お返事ですみません。
好きな言葉を採集さん
http://shima-aya.hatenablog.com/
洗いたてあなたのシャツが乾くまで愚痴の一つも聴かせてやるわ
2. 鬼
いま鬼に舐められた我めまいしてこれが怒りという感情か
3. 入
ポケットの多さのせいで入れるべき物を持たないことに気付いた
4. チョコ
寒さ増すほどに板チョコ割る音が1オクターブずつ上がってく
◇うーん、うまい。鬼とチョコの歌が特にドキッと刺さりました。
すみとも乳業さん
http://tmtkkiyyy.hatenablog.com/
洗髪時改めて思いやるつむじあなたはあの日どう見てただろ
うつくしく満たされる夢受話器取る間に散り散りて口ごもる朝
◇洗髪時…の歌、すごく好きです。つむじ、かわいい。つむじ、せつない。
夢の歌、いい。わかる。
そこ、ハイフンさん
http://tuchinocoe.hatenablog.jp/
優しさを受け入れてみるすみやかにボディソープは愛にあふれて
4. チョコ
ピンヒールで刻むフロアに鳴り響くチョコレイトディスコ、チョコレイトディスコ
5. きさらぎ
きさらぎのアクアラインに朝日差し都市にも眠りと目覚めがありぬ
◇かっこいいです。クールです。うらやましい。
さらさら録さん
http://baumkuchen.hatenablog.jp/
群れに入れずはぐれた雲を見る あれはわたしの背中の形
4. チョコ
チョコミントアイスを好む君のこと解らないから見つめていたい
5. きさらぎ
きさらぎの春待ちすずめはころころと膨らみ並んでお団子のごと
◇あれはわたしの背中の形、泣きそうになりました。いい。
チョコミントアイスの歌は、可愛い。そんな気持ちあった。懐かしい。
すずめ団子最高!!!
koma.uswさん
http://vodka.hateblo.jp/entry/20170223/tanka/
人として生きるも死ぬも出来なくて私を剥がせば綿状の鬼
ごみのなか私の大事な方舟をゆめゆめかわいい色に塗るんだ
どちらもざわざわする歌。綿状の鬼、ってこわい。すごくこわい。方舟の歌の世界もとてもよくわかってこわい。
何かのヒントさん
人殺しと書いた破魔矢を折り捨てて入眠儀式の一環とす
きさらぎの就学前の児童は覗く空中元素固定装置
「夢」
盥という文字の顔した叔母さんら夢の額縁模様となりぬ
◇ああもうかっこいい!!!こんな歌詠めるようになりたいです。
1.洗
ずっと前、この前シーツを洗った日よりもっと前に好きだった人
2.鬼
鬼瓦 屋根の上には古の乳歯の入ったフイルムケース
3.入
入るという字は人々が支え合い どこへ向かうというのだろうか
4.チョコ
チョコレート噛み砕いたら苦くなる 悪いのは私じゃなくて君だ
5.きさらぎ
きさらぎよまだ生きていていいですか 春一番は生温すぎる
テーマ:夢
ドアがあるドアのむこうに道がある道のむこうに君が待ってる
草むしりおごろうかばかりコーヒーでもかわいそうだしでもおごられた
楽しみは?と訊かれ答えるないですと車エアコンボロくて風
私の償却期限を訊ねると子供は泣いた倉庫も燃えた
1. 洗
からからで息ができない薄皮を洗い流せる雨をください
2. 鬼
嘘つきで正直な眼の鬼たちは疲れた君にきっとやさしい
3. 入
入り口の狭さ暗さにあきらめたあの道をいつかだれかが通る
4. チョコ
義理チョコがファイヤーキングに変身し帰ってきた日 君よ元気か
5. きさらぎ
きさらぎのあわいあおぞら 思い出は融けてぴたぴた地面に落ちる
テーマ詠「夢」
甘い夢 手をつなぐ人のいることを甘い夢としか描けない今日
眠るたびふらふら出会う夢のなかピアノを弾いてあなたはうたう
みずからのあまいいきで眠りにおちるマスクのなかのマタンゴのゆめ
1. 洗
三十路には三十路の身体つきがあり洗濯表示を無視してわらう
2. 鬼
プロテイン、プロテイン、って喧しい背中の鬼に納豆投げる
3. 入
恋人に化粧ポーチを晒すとき入植者の目をしているわたし
4. チョコ
純白にチョコを散らかす踏む抉る油圧ショベルは春を探して
5. きさらぎ
北からの汽車は今年もきさらぎの半ばあたりで電車になった
テーマ詠「夢」
てのひらを子宮にあててねむる朝 永久歯ばかり舐めている朝
入院の言葉に怯え暮らす日々 我が子あやせず泣かせるばかり
4. チョコ
ちょこまかと逃げる幼児を追いかけて気づけば終わる毎日がある
5. きさらぎ
2・3日 ひがないだけで如月は短すぎると文句をいわれ