第14回短歌の目12月に参加いたします。卯野抹茶様、皆様、今月もありがとうございます。
12月短歌の目
1. おでん
ふうふうと冷ますおでんに君のこと頭をよぎる熱燗で消す
2. 自由
自由意志君と歩むも別れるも冬の陽だまり横顔に尋(き)く
3. 忘
水色の花を愛した父の墓勿忘草(わすれなぐさ)の夢をまたみる
4. 指切り
ほそぼそとこころもとなくからまりて指切り迫る子よ安らけく
5. 神
おわします神ならどうか応えませ住処追われてさまよう民に
テーマ詠
テーマ「冬休み」
窓際の灯(ひ)のぬくもりはガラス越し声には出さずエールを送る
宿題はもう無い大人凧揚げて風の行方をただ測りおり
逢いたくて頰をシーツに埋めけりひとり洗濯物干す真昼
チャンネルを変えて結局消して寝るそのプロセスは人生に似て
つやつやの蜜柑懐かし剥きながらシベリア帰り祖父偲ぶ冬