ほしいぬ

書いたり、詠んだり。

凧揚げて

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凧揚げて青の青さに吸い込まる幸福の鳥見えた気がして

 

わたくしの命に管を突き刺して死にたい君に流せるならば

 

かよいあう心のやりとり文字の声Instagram笑みこぼれつつ

 

2021年 あけましておめでとうございます。

昨年もお世話になりありがとうございました。

佳い年となりますようお祈り申し上げます。

皆様お幸せでありますように。

どうぞご自愛くださいませ。

 

追記: のんちゃん様(id:nonchan0330)コメントくださりありがとうございます。昨年後半よりコメントができない不具合が生じており返信できません。のんちゃん様の記事にブックマークでお礼書かせていただきました。お許しください。

皆様:コメント欄に書き込めない不具合のため、すみませんがコメント欄を今後閉じさせていただきます。お許しください。

 

 

失い、続ける物語

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*「鬼滅の刃」映画、原作、アニメーションについての感想です。内容に触れますのでこれからお楽しみになる方は読まないでください。

 

先日、映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」を観てきました。息を呑み、鳥肌が立ち、たくさん涙を流しました。素晴らしい作品でした。

できれば何度も劇場に足を運んで観たいです。

 

鬼滅の刃、わたしは今年に入ってからNetflixでアニメーションを観て、すぐ原作のコミックスを買い、コミックスの続きを読みたくてジャンプ本誌も買いました。いい歳をしたオバサンが毎週月曜日が来るのを楽しみにコンビニへ通いました。

今もグッズを買ったり、pixivでイラストや二次創作を読んだり、著者のスピンオフ編や著者ではない方が書いた煉獄外伝が掲載されたジャンプを購入したりして楽しんでいます。

 

コロナ禍と家庭の事情で、2020年は辛い年でした。泣きたかったが泣いてもいられず日々もがき、できることを精一杯して気づけば11月。

そんな人は多いのではないでしょうか。

そんな中、鬼滅の刃は喜びをくれる作品でした。作品に触れ笑い涙することで、わたしの心は健やかでいられた気がします。

今この時代にこの作品が生み出され世に送り出され、沢山の人に受け入れられたことは幸せだと思います。どうしてここまで魅力を感じているのか、胸に響くのか、わたしなりに考えてみたいと思います。

 

鬼滅の刃」は明るいか暗いかと言われたら、どちらかといえば暗い作品だと思います。

個性的で生き生きとしたキャラクター、ギャグも随所にありますが、根底を流れるのは、失ったかけがえのない人々とかけがえのない日々への悲しみです。

失ったものは余りにも大きいのですが、その悲しみを抱えながら、悲しみとともに、助け合って、生きていく物語です。

 

鬼滅の刃の世界では、容赦なく人を襲って食う鬼が跋扈し、貧富の差も激しく、人々は日々の暮らしを突然鬼に奪われる恐怖や怒り、悲しみ、諦念を抱えながら生きています。

主人公達は、鬼によって家族を殺され家庭という居場所を失ったり、鬼狩り(鬼殺隊や柱達)に助けられたこと等をきっかけに、鬼と戦う道を選びます。

主人公には鬼にされた生き残りの妹を守り人間に戻したいという強い願いもあります。

主人公達は厳しい鍛錬をし試練を乗り越え鬼殺隊の選抜試験を受け、合格して鬼狩りとなります。

仲間達と友情や信頼関係が生まれ、楽しいこともありますが、基本的に彼らが生きているのは戦場で、常に死という絶対的な別れがあります。もともとの家族や居場所を失っている上に、日々大切な人々を失い続けます。

 

彼らが殺す鬼達も、元は人間です。始祖の鬼から血を分け与えられて鬼となっています。

主人公は鬼達を憎みつつもかつては人であったことを慮り、優しく憐れみを持つ稀有な人物として描かれています。

 

鬼滅の刃は創作物であり架空の世界ですが、現実の世界と共通点があります。

それは、私たちもまた、日々失い続けているという点です。時は流れを止めず、失ったものは帰ることはありません。起きたことは起きてしまったことであり不変です。過去を変えることはできません。

 

戦争、災害、犯罪に遭った人はもとより、日々辛いことに遭わない人はほとんどいないのではないでしょうか。

悲しみに打ちひしがれたことが無い人は僥倖です。ほとんどの人は生きていく上で大切な何かを失い、何らかの悲しい経験をしていると思います。なかでも人との死に別れ、生き別れは、生きていく上で必ず経験します。

ある意味、悲しみこそが、生きているということなのかもしれません。

悲しみを感じるということは、失って悲しい大切な人や物事があるということです。人生が空虚では無いということです。

また、悲しみを感じるということは、喜びや怒りも感じることができるということです。心が生き生きと動いている証です。

 

子供達や若い人達はもとより、さまざまな悲しい経験をした大人ほど、もしかしたら、この作品は響くのかもしれません。それがこの作品が大ヒットしているひとつの理由だと思います。

 

悲しみの部分を強調してきましたが、面白く笑えるシーンも多いですし、熱く命を燃やし、勇気を持って困難に立ち向かい、助け合って生きる登場人物達に励まされる部分も大きいです。

主人公達や敵味方の主要なキャラクターだけでなく、無名の人々に焦点を当て、一人一人の命と人生を大切に扱っているところも素晴らしいです。強さとは何か。弱さとは何か。優れていること、凡庸であることを超えて、本当に大切なことは何か。人は孤独ではない。協力し助け合うことで生まれる何倍もの力。これも作品のテーマです。

 

まさに今この時に、読むべき、観るべき、血の通った温もりのある作品と思います。同時代に生きてこの作品を楽しめてよかった。

映画はエンディングテーマも素晴らしいです。ずっと繰り返し聴いています。わたしは私の日々をこれからも生きていこうと思います。

失っても、悲しくても、続けていこう。

 

好みは人それぞれですが、よかったらぜひ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かんらん車

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かんらん車こころを雲が吸いよせてゆっくり日々へ降りる支度す

 

秋薔薇の慎ましやかに仕立てられ棘も香りも憚らず咲け

 

ハロウィーン小さき魔女の群れ集い憂鬱な煤を箒でさっさ

 

粉ふるいバターを溶かす娘の手頼もしくあれ柔らかであれ

 

君の名を呼ぼうとすれどそういえば何も知らないブログ以外は

 

紅茶の目カップの中に浮かびたりふと見た怪は誰にも云はず

 

これといふ予定もないが大好きな十一月を心待ちにす

 

 

皆様の秋の日々が愉しくありますように。

どうぞご自愛くださいませ。

 

 

 

よろいの夏

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あどけないおっさんみたいなかき氷マスクとともに鎧を解こう

 

息苦し熱に炙られ戦中と戦後の夏に水を手向ける

 

友達にパンを送る日秋風を雨雷(あめいかづち)が一瞬見せた

 

病えて首相の代るこの国の疲れを拭うタオルはないか

 

連れてってくださいコロナが来る前のやさしい春へ自由な夏へ

 

 

 

皆様どうぞご自愛下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

名残の薔薇

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開園を待っていたよに咲いていた名残の薔薇にわたしほころぶ

 

海眺むベンチはテープ縛されて怒りは真の敵にぞ向ける

 

いたましき事件に怒り熱帯びて痛み傷まし悼みつつ生く

 

コロナ禍は尊き命日々奪い悪を露わに見せつ流れる

 

良きことを砂金のごとく掬いあげ善き行いを重ね未来へ

 

 

 

 

肩に力の入ったいかつい歌が多くなりました。

いやだなあ。

真の敵、なんて。剣呑です。

 

自粛宣言が明け、ぼちぼちと生活しています。

コロナの前のようには全然戻らないけれど、それでも家族が罹患せず、マスクやいろんなことに気をつけながらでも外出できるのはありがたいです。

同時に、罹患された方とご家族の方の心労を思います。

 

今回のことでいろんな物事が無くなったり変化したりしました。それらはもう元には戻らないかもしれないけど、生き残ったからには、どんなにたくさんのことが流れ去り失おうとも、変化を受け入れて、生きようと思います。

なるべく心に余裕を持ち人間らしく生きたいです。

今回のことで世の中が良い方へ向かうように願います。

 

暴力、差別、自由を奪うもの、嘘、抑圧、私利私欲を追う輩、が露呈するなかで、勇気、希望、良い意志と行動、思いやりが灯す明かりに温められています。

わたしもよいことをしよう。少しずつでも。

皆さま無理はなさらずどうぞお大事に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とんとんと

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とんとんと野菜を刻む台所いつものようにいつも通りに

 

三色の花が一つの木に咲いて桃紅白の個性うつくし

 

自らを励ます香りしのばせて御不浄掃除きゅっきゅと磨く

 

常の日の喜び今は叶わぬが傘のお家を子らと作りぬ

 

終息し心たいらに生きる日を迎えんために「もしもしかめよ」

 

 

闘病中の皆様とご家族の皆様、医療従事者の皆様の安全と安心をお祈りいたします。

疫病が終息しみんな安心して暮らせますように。

 

今朝わたしは野菜スープを作りました。にんじん玉ねぎキャベツ小松菜ベーコンひらたけ。冷蔵庫の残り物を少しずつ組み合わせて無心に細かく刻みました。

簡単な料理なのにこんなに沢山の野菜を刻んだのは久しぶりのように思われました。

しんどい時は調理、中でも献立作りと刻みものが辛くなるので、しんどかったのねと改めて思います。

 

みなさまくれぐれもお大事に、なるべく好きなこと楽しいことをしてお過ごしになれますようお祈りしております。

 

迷言蛇足。

1.わたしは短歌に古い言葉を使うのが好きです。御不浄とかね。しかし明治大正生まれではありません。

最近「鬼滅の刃」にハマっているので(ものすごい名作です!)明治大正時代の人になったつもりでエセ日記を日記帳に書いてみようかなと思います。

最近読んだ小説では「忘れられた巨人」が素晴らしかったです。カズオイシグロの言葉の世界の力強さ。物語の力。時を忘れて読み、現実へのパワーをもらいました。

 

2.「もしもしかめよ」は皆様ご存知と思いますが手洗いの時に二回繰り返して歌うと良いそうです。「ハッピーバースデー」でもよい。歌いながら丁寧に正しい手洗い方法で洗います。

昔「ER 緊急救命室」のドラマを観ていたのですが、登場人物の医療スタッフになった気分でやっています。アビー看護師(のちに医師)とかね。気が強くて勇敢で優しく弱く人間らしいところが好きでした。

今まで自分がいかに手洗いをいい加減にしていたかよくわかります。

 

自分のブログはなかなか書けませんが皆様のブログは読ませていただいております。読むと元気が出ます。大変な時に書いてくださりありがとうございます!

 

私信:猫月さん(id:necozuki229)、idコールとブックマークありがとうございます。生きてます。(笑)猫月さんのブログ読ませていただいてます。黄色スターしかつけられずごめんなさい。応援しています!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

順番に

順番に春はカーテン開けてゆくさよならを言う準備をせよと

 

眼裏(まなうら)に君の体温陽のひかりいつしか白く忘るるとても

 

先端は透明なまま青空を切り取る花の香のみ憶えて

 

未だ咲かぬ蕾の黄金(こがね)つやつやと弾む命をぐっと湛(たた)える

 

花の枝束ねるひとの手は赤く乾きて固し農の険しき

 

わたしは蠟梅が好きです。

先日神奈川県足柄上郡松田町の「寄(やどりき)ロウバイ祭り」に行く機会があり、山に植えられた沢山の蠟梅を堪能させてもらいました。

蠟梅という花は蕾はくっきりとした黄色なのですが咲くと色が淡くなります。花弁の先端は半透明で蝋細工のようです。鈴蘭のように俯き加減に咲く姿が可憐です。

雪中四友といい、雪の中でも咲いて春の先駆けとなる花の一つだそうです。(ちなみにほかの三つは白梅、さざんか、水仙)

英名はwinter sweet。

香りがなんとも言えずあまくさわやかな芳香なのです。

山に立ち込める良い香りの空気を何度も吸い込みました。

 

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淡い黄色は遠目に見ると地面と同化してしまいます。茫とかすんで春の山らしい柔らかな美しさ。


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手前は足柄茶の茶畑。

足柄茶はすっきりとした苦味が爽やかなお茶です。おいしい。


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夢中で沢山撮りました。

 

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切り花を300円で売っていて、帰り道も家でも花を楽しむことができました。

枝を束ねてくれた人の手は固くがさがさで厚みがあり、長年農に携わる人特有の手でした。

働き者の手。

祖父も同じ手をしていたことを思い出しました。

 

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ロウバイまつりポスター。

 

家族が病を得て何かと気の塞ぐことがあり、またうまくいかないことなどもあったのですが、好きな花を見るために小さな旅をさせてもらって、気持ちがすうっとしました。感謝です。

家族も元気になって、家族が行きたいところへ自分で自由に行けるようになりますように。

 

あまねくすべての人が、そうなりますように。